ユーロが軟調、あすのECB理事会を控えて=ロンドン為替概況
ユーロが軟調、あすのECB理事会を控えて=ロンドン為替概況
11日のロンドン市場は、ユーロが軟調に推移している。あす12日のECB理事会を控えて、追加緩和期待が広がっているもよう。米株先物と比べて欧州株は堅調に推移している。あすはECBスタッフ経済見通しが発表されるが、それに先立ってドイツIfWとDIWの2経済研究所が今年および来年のドイツGDP成長見通しを引き下げた。第3四半期はマイナス成長と見込まれており、テクニカル・リセッションとなるとした。また、合意なき離脱の場合、来年の見通しをさらに引き下げるとした。レーン・フィンランド中銀総裁は、外需の落ち込みが労働市場に影響与えている、と指摘。これまで複数のECB高官から、9月理事会でのQE再開は時期尚早との見方があったが、直前になって追加緩和期待が高まっている様子もうかがえる。ユーロドルは1.10台半ばから1.10ちょうど付近へと下落、ユーロ円は欧州株上昇も119円割れから118円台半ばへと下落した。ポンド相場は揉み合いに終始しており、対ドル1.23台半ば、対円133円台前半から133円割れ水準での推移。ドル円は上昇一服も、107.60台までの限定的な下げにとどまっている。
ドル円は107円台後半での取引。前日NY市場からの上昇の流れが継続し、東京市場では107.85レベルまで買われた。米中貿易協議再開への期待や米債利回り上昇がドル円相場をサポートした。しかし、ロンドン市場では上昇一服となり、107円台後半での揉み合いとなっている。ユーロ円が反落しており、ドル円の上値が重くなったほか、米債利回りの上昇も一服している。また、トランプ米大統領が、米金融当局は金利をゼロもしくはマイナスに引き下げるべきと発言している。ただ、この報道には目立った反応はみられていない。
ユーロドルは1.10ちょうど近辺での取引。東京市場では1.1040-50レベルで推移していたが、ロンドン時間に入ると売り圧力が強まっている。1.1040割れから1.1004レベルまで下押しされている。ユーロ円は119円台を割り込むと118.51レベルまで下落。いずれも本日の安値を広げている。あすのECB理事会を控えて、再び追加緩和期待が台頭しているもよう。ドイツIfWとDIWの2経済研究所が、今年および来年のドイツGDP成長見通しを引き下げた。第3四半期はマイナス成長と見込まれており、テクニカル・リセッションとなるとした。また、合意なき離脱の場合、来年の見通しをさらに引き下げるとした。レーン・フィンランド中銀総裁は、外需の落ち込みが労働市場に影響与えている、と指摘。これまで複数のECB高官から、9月理事会でのQE再開は時期尚早との見方があったが、直前になって追加緩和期待が高まっている様子もうかがえる。
ポンドドルは1.23台半ばでの取引。ユーロドルとは対照的に動意に欠けている。1.2341-1.2371レンジでの揉み合い。ポンド円は133.37レベルに高値を広げたあとは133円を一時割り込んだ。その後は133円付近での揉み合い。対ユーロではポンド買いの動き。英議会が休会となっており、次の動き待ちとなっている。野党労働党幹部は、合意なき離脱の回避が優先事項で、総選挙はその後としている。最新の世論調査によると2回目の国民投票がある場合、離脱34%に対して残留37%となっていた。政党支持率は、保守党38%、労働党24%、自由民主党24%、ブレグジット党7%だった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。