ドル円105円台後半で振幅、ポンド買いにユーロ売りも=ロンドン為替概況
ドル円105円台後半で振幅、ポンド買いにユーロ売りも=ロンドン為替概況
27日のロンドン市場は、リスク回避の動きが後退している。全般に円売りが優勢。序盤は軟調だった欧州株や米株先物が次第に下げを消して、プラスに転じてきている。特にポンドが堅調。今日の午後にはジョンソン英首相とユンケルEU委員長が電話会談を行うと報じられており、合意なき離脱の回避の向けた楽観的な見方が広がっているもよう。7月英住宅ローン許可件数が増加したことが下支えとなった面もあった。一方、ユーロは序盤に買われたが、その後は上昇一服。イタリア連立協議をめぐる期待感でユーロ買いが先行したが、五つ星と民主党との人事をめぐる対立などで、協議が突然キャンセルされた。一方、欧州株の堅調な動きには独政府による景気刺激策への期待感もあるようだ。ドル円は105円台後半での神経質な動き。米債利回りの動きに逐一反応をみせており、利回りの低下が一服する場面では106円手前まで上昇。しかし、利回り低下基調のなかで、反発の動きは限定的。ユーロドルは1.11台前半で小幅の振幅。ポンドドルは1.22台前半から後半へと上昇。ユーロ円は117円台後半、ポンド円は129円台後半まで買い戻された。
ドル円は105円台後半での取引。東京市場では106円割れから105円台後半へと軟調な流れだったが、ロンドン市場では下げ一服。105.59レベルを安値に買い戻しが入った。米債利回りの低下が一服する場面で一時105.99レベルまで買われた。しかし、米債利回りの低下傾向は根強く上値を抑えられている。欧州株が序盤の下げからプラスに転じてきており、リスク警戒感は後退。上下とも動きにくくなっている。
ユーロドルは1.11台前半での取引。序盤は買いが先行し、1.1116レベルまで買われたが、その後は1.11手前水準まで反落と小幅の上下動にとどまっている。ユーロ円は117.20近辺まで下落したあとはドル円の上昇とともに117.70台まで反発。足元では117円台半ばに落ち着いている。イタリアでは五つ星と民主党の連立協議への期待が先行したが、人事をめぐる対立などで開催直前でキャンセルされた。連立協議は難航しているようだ。一方、今日発表されたドイツ第2四半期GDP確報値は前期比マイナス0.1%と改定値と同水準だった。改めて景気鈍化懸念とともにドイツ政府による景気テコ入れ策への期待も共存しているようだ。
ポンドドルは1.22台後半での取引。この日はポンドが堅調に推移している。1.2210-20レベルから買われ続けており高値を1.2271レベルまで伸ばした。ポンド円も129円ちょうど近辺でサポートされると東京市場から流れが反転し、129.90近辺まで買われた。ユーロポンドは0.9090近辺から0.9050近辺まで下落。ポンド買いの背景としては、先週来の英国とEUとのやり取りのなかで次第に合意なき離脱を回避できるとの楽観的な見方が増えてきていることがあるようだ。先週はG7に関連してジョンソン英首相とメルケル独首相やマクロン仏大統領らとの会談が実施されたが、きょうはルッテ・オランダ首相とも電話会談を行ったもよう。また、このあとにはユンケルEU委員長との電話会談が予定されている。また、7月英住宅ローン許可件数が増加したことが下支えとなった面もあったかもしれない。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。