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【これからの見通し】ドル相場の方向性が混とんとしてきた、英欧材料にも神経質に

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【これからの見通し】ドル相場の方向性が混とんとしてきた、英欧材料にも神経質に

 今週23日のパウエルFRB議長のジャクソンホール演説が市場の注目を集めている。最新のCMEフェドウォッチによると米短期金融市場での9月FOMCについて、0.25%利下げが98.1%の織り込み度となっており、ほぼ市場のコンセンサスといえそうだ。ただ、注目されるのが、0.50%利下げ観測がゼロになったこと。さらに、現行の水準での据え置き観測が1.9%とわずかながらだが復活している。

 ドル相場の流れをドル指数でみてみると、8月上旬はドル安に傾いたが、その後はドル買いに流れが反転している。ただ、今週に入ってからはドル高の流れも怪しくなってきており、方向性が混とんとしてきている。

 ドルの相手先通貨としてはユーロが最も比重が高く、円やポンドがこれに続く。ユーロ相場にとってはイタリアの政局不安が一気に高まっていることが相場展開を不安定にしている。昨日の伊上院演説でコンテ伊首相は辞任を表明した。サルビーニ氏の政治手法について大いに不満を述べていた。今後はマッダレッラ伊大統領が新たな連立政権樹立を模索することになるが、同盟と五つ星運動の対立は根深いもよう。連立交渉に失敗すれば、総選挙が待っている。ユーロドルには売り圧力がかかりやすくなっている。ただ、1.10の心理的水準を前にしてサポートしようとする動きも強いようだ。

 ポンドにとっては10月31日のEU離脱期限が刻一刻と近づいており、合意なき離脱の可能性が日に日に高まってきている。市場ではなんとかこれを回避する方策がないのか材料探しに躍起になっている状況。昨日は、メルケル独首相が「EUは英離脱へのアプローチで団結しており、バックストップに対する実用的な解決策を考える」と発言したことが、ポンドの反発の動きを誘った。市場では、絶望的とみられた再交渉への道が開かれたと解釈したようだ。ただ。その後、再交渉を否定する発言が出ており、ポンド買いの勢いは一服している。

 両欧州通貨の動向が神経質なだけに、ドル相場も方向感が錯綜することとなっている。この後の海外市場では、引き続きイタリア情勢や英EU離脱関連の報道に注意したい。

 この後に予定されている経済指標は、南ア消費者物価指数(7月)、英公共部門ネット負債(7月)、米MBA住宅ローン申請指数(16日までの週)、カナダ消費者物価指数(7月)、米中古住宅販売件数(7月)など。カナダドルにとっては消費者物価指数の結果が相場に大きな影響を与えそうだ。事前予想では、前月比は+0.2%と持ち直す一方、前年比は+1.7%と前回から伸びが鈍化する見込み。また、カナダドルにとっては米週間石油在庫統計の発表で原油相場がどのように反応するのかも注目されよう。

 NY市場後半にはFOMC議事録(7月30-31日開催分)が公表される。ジャクソンホール演説を控えて、直近の利下げが予防的、保険的なものであり、利下げサイクル入りではない、との一面が再確認されるようだと、ドル買いに反応する事も想定されそうだ。
 
minkabu PRESS編集部 松木秀明

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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