為替相場まとめ9月21日から9月25日の週
21日からの週は、全般的に円売りとドル買いが優勢だった。流れは原油高と米金利上昇という外部ショック要因が支配した。ドル高はユーロドルやポンドドルにも波及した。ドル円は一時159円付近まで上昇、ユーロドルは1.13台、ポンドドルは一時1.31台まで軟化した。ドル指数は7月29日以来のドル高水準に急伸している。中東情勢は再び緊張をはらんでおり、NY原油先物は88ドル台まで低下したあと、96ドル台まで上昇した。インフレ警戒により米10年債利回りは5%の節目水準を明確に上回っている。株式市場には調整圧力もみられた。週末にかけては片山財務相や高市首相の円安牽制発言が円高方向への調整を促している。
(21日)
東京市場は、敬老の日の祝日のため休場。
ロンドン市場は、リスク選好度の改善を背景に円売りが優勢の展開となった。原油安、米長期金利の低下、株式市場の上昇が手掛かりとなり、アジア時間に156.50台まで押し込まれていたドル円は買戻しが進行。ロンドン時間には157.30付近まで上昇した。クロス円も連動して堅調に推移し、ユーロ円は180円台半ば超え、ポンド円は210円台後半まで値を伸ばした。前週末のNY市場で158円台から156円台へ急落した際に政府・日銀によるレートチェック観測が拡散したため、市場には介入警戒感が根強く残っており、円安の動きには一定の慎重さが見られた。目立った経済指標の発表はなく手掛かり難の中、シカゴ連銀総裁の発言や独連銀月報が伝えられたが、為替相場の反応は限定的となった。
NY市場では、ドル円はFRB幹部のタカ派発言を受けて157円台へ買い戻されたものの、上値追いの勢いは限られた。オプション市場では前週末のレートチェック観測を受けた介入警戒から、短期を中心に円高を見込むヘッジが強まった。しかし、祝日の連休に伴う薄商いの中での動きであり信頼性は限定的との見方も多い。日銀の利上げにより円キャリー取引の魅力低下や調達通貨の分散が指摘される一方、既存の米欧との大幅な金利差が維持される限り持続的な円高トレンドへの転換は難しいとの見方が優勢である。欧州通貨では、独でのCDU苦戦や仏の格下げ(AA-からA+へ)と財政赤字拡大に伴う独仏金利差拡大など政治・財政リスクが嫌気され、ユーロドルは1.14ドル台後半で上値の重い推移となった。
(22日)
東京市場は、国民の休日のため休場。
ロンドン市場は、中東情勢の緩和期待に伴う原油急落を背景に、急速な円買いが進む展開となった。アジア市場では原油高に伴いドル円が157.78付近まで買われていたが、「イランが7日以内のホルムズ海峡再開を提案」との報道で原油が急落すると形勢が一変。日本の交易条件悪化懸念の後退から円が買われ、ドル円は156.83付近へ一気に下落した。クロス円も連動し、ユーロ円は180円台を割り込み、ポンド円も209円台半ばまで下げた。ドル自体はドル指数が7月末以来の高水準を付けるなど強含みの展開を維持したものの、対円では急反落となった。ユーロドルやポンドドルは一時下押しした後に買い戻されるなど、方向感を欠く往来相場となった。英公共部門ネット負債の拡大に対するポンドの反応は限られた。
NY市場では、ロンドン時間の円高急伸が一服し、ドル円は157円台へと押し戻された。介入警戒感が市場に浸透しているものの、連休中で本邦勢が不在のため積極的な売買は手控えられた。テクニカル面では週足の「強気の包み足」完成や21日線の立ち上がりなど、リバウンド相場の継続を示唆する形状となっている。ユーロドルはECBの10月金利据え置き観測の強まりや短期適正水準の低下を背景に下値を模索し、1.1430ドル付近まで下落。ポンドドルも英中銀の利下げ転換見通しや10月予算案への財政リスクが意識されて1.33ドル台前半へ軟化した。欧州主要通貨に対して英欧と米国の金融政策の方向性の違いが一段と意識される中、各通貨ペアとも対ドルでの上値の重さが目立つ市況となった。
(23日)
東京市場は、秋分の日で祝日のため休場。
ロンドン市場は、FOMCでのタカ派姿勢を背景とした全般的なドル買いが相場を主導した。中東情勢緩和期待から原油価格が90ドルを割り込み有事のドル買い後退や円買戻し要因となる場面もあったが、強いドル買い圧力が相場全体を覆った。ドル円は157.34付近から一貫して買われ、158円目前の157.92付近まで高値を伸ばした。前週末にレートチェック観測が出た水準に接近したことで、介入警戒感からオプション市場では円コール・オーバーが拡大した。欧州通貨は対ドルで軟調となり、ユーロドルは1.14トビ台、ポンドドルは1.32台後半へ下落。英欧PMI速報値ではユーロ圏の予想外の改善と英国サービス業の失速が対照的な結果となり、ユーロ買い・ポンド売りのバイアスがかかった。
NY市場では、9月米PMI速報値が市場予想を大幅に上回ったことで米5年債利回りが約20年ぶりに5%台へ急昇し、強いドル買いが加速した。ドル円は先週末のレートチェック観測水準を上抜けて一時158.40円付近まで上昇し、200日移動平均線に接近。終値で上抜ければ160円を試す展開が意識される一方、翌日からの本邦勢復帰に伴う介入警戒感も急速に強まった。ユーロドルは欧州オプション市場での短期的な弱気姿勢も重なり1.13ドル台へ急落。ポンドドルもストップロスを巻き込んで1.32ドル台前半へ下落し年初来安値を視野に入れた。英中銀の11月追加利上げ観測は残るものの、市場の金利織り込みは過剰との見方が広がり、ポンドの下押し圧力として作用した。
(24日)
東京市場は、片山財務相による円安牽制発言で乱高下した。前日の海外高を受けて朝方に158.37円まで買われたドル円は、午前10時半頃に片山財務相の「日米協調介入以降の原則は生きている」との発言が伝わると157.80円付近へ一時急落。しかし、仲値通過後や午後にかけて原油価格の下落一服や米10年債利回りの高止まりを背景に買い直され、158.40円近辺まで上値を伸ばした。クロス円も同様に、牽制発言による下落後にドル円の上昇に伴って反発し、ユーロ円は180.40円台、ポンド円は209.70円台へ上昇。豪ドルは豪雇用統計で失業率が悪化し対ドルで一時急落したものの、豪中銀の追加利上げ観測と円安の流れに支えられ111.50円台へ持ち直した。
ロンドン市場では、イランの対米強硬姿勢による原油高と米金利上昇を受け、インフレ懸念と日本の交易条件悪化から円売りが強まった。片山財務相の発言による牽制効果は限定的に終わり、介入警戒感を凌駕する原油高圧力が市場を支配。ドル円は一気に158.80円付近まで急伸し、安値から1円幅の上昇となった。ユーロ円も180.60円台、ポンド円も210円台へ買い進まれた。ドルストレートでは全般的なドル買いが優勢となり、ユーロドルは独Ifo景況感指数の上振れにも反応薄で1.1360台へ軟化、ポンドドルも1.3210台へ下押しされた。原油高と金利高が同時に進行したことで欧米株式市場は軟調となり、市場全体にリスク回避とインフレ警戒のムードが広がった。
NY市場では、ドル買いの勢いが続き、ドル円は上値抵抗線であった200日移動平均線を完全にブレイクして一時159円台まで上伸した。原油高と利回り上昇が強力な牽制を打ち消す格好となり、節目の160円を試すラインが現実味を帯びている。片山財務相の発言により160円到達時の実弾介入警戒感は極めて高いものの、日銀の積極的な利上げ姿勢が見えない限り単発の介入で趨勢を変えるのは困難との見方が強い。ユーロドルはボリンジャーバンド下限を割り込み4日続落、RSIが25まで低下して過熱感が出るものの地合いの弱さが継続している。ポンドドルも10月28日に控える英国予算案を巡る財政懸念や国債利回り上昇に伴う借り入れコスト増加が嫌気され、1.32ドル台前半へ一段安となった。
(25日)
東京市場は、円買いが優勢。ドル円は早朝の158.95円を高値として、その後は一貫して下落している。片山さつき財務相によるトランプ米大統領の円安懸念に触れた円安牽制発言や、城内実経済財政相による金融緩和やアベノミクス的景気刺激策の否定的な発言が報じられたことが円安のブレーキとなり、15時台には157.95円付近に安値を更新した。ユーロドルは1.1368円から1.1386円付近の狭いレンジで小幅な揉み合いが続き、15時台に1.1380台へ戻すも限定的な動きにとどまった。一方、クロス円もドル円の下落につれ安となり、ユーロ円は早朝の180.85円付近から15時台に179.83円付近まで下落し、ポンド円も同様に210.12円付近を高値に208.94円付近まで下落している。
ロンドン市場では、円高とドル安が交錯。片山財務相の「投機的な動きには断固措置」との発言や、高市首相が円安への懸念を改めて示したことが円買いを誘った。ドル円は157円台後半へと下落している。ポンドドルは1.3250付近まで上昇、ベイリー英中銀総裁の利上げ示唆が支えとなった。ドル売りはユーロドルにも波及し、1.14台乗せまで高値を更新したが、オプション関連で上値は抑制されている。原油は93ドル、米10年債利回りは5.17%で推移。円高・ドル安のなかでクロス円は神経質に振幅し、ユーロ円は180円、ポンド円は209円を挟んで上下動している。週末を控え、原油や米金利、ドル相場には前日までの流れに対する調整が入りやすい地合いとなっている。
NY市場はドル安・円高が優勢となりドル円は一時156円台まで下落する場面が見られた。前日は一時159円台まで上昇し200日線を突破。再度160円を視野に入れた動きも見られていたが、予想されていたこととは言え、かなり強い口調での日米の口先介入が円を買い戻させていた。高市首相はニューヨークでの日米首脳会談について「先方から円安によって米国の貿易が厳しいという話があった」と述べ、トランプ大統領が円相場に懸念を示したことを明らかにした。首相も「一般論として円の過小評価は問題だ」と言及したという。
執筆者 : MINKABU PRESS
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