前日と雰囲気が一変 リスク回避の円高=NY為替概況
前日と雰囲気が一変 リスク回避の円高=NY為替概況
きょうのNY市場は前日と雰囲気が一変し、米株式市場が急落する中、リスク回避の雰囲気が広がった。為替市場では円高の動きが見られ、朝方に158円台半ばで推移していたドル円は157円台に半ばまで下落する場面が見られた。
米民主党が中間選挙で圧勝したことを受けて、前日はイラン情勢の緩和への期待が広がっていたが、民主党がAIのデータセンター建設に慎重な対応を打ち出す中、半導体やサーバ関連の銘柄が本日も急落し、それが次第に他へも波及。市場は一気にリスク回避の雰囲気が広がっていた。
また「民主党の圧勝を受け、米財政政策は27年に引き締め方向に向かう可能性が高い」との見方も出ていた。新たな財政刺激策が実施される可能性は低く、設備投資に関する減価償却制度や関税、国防支出に対する監視も強まると予想されるという。短期的に増税の可能性は低いものの、民主党は28年に向けて増税の布石を打ち始める可能性があるとも指摘していた。
ドル円は200日線から下放れる展開となり、21日線も下回った。明日は米雇用統計の発表が予定されているが、方向感が出るか注目される。
ユーロドルはロンドン時間の早朝に一時1.1270ドル付近まで上昇していたものの、NY時間にかけて1.12ドル台前半に伸び悩む展開。21日線を回復し、リバウンド相場の展開を続けているユーロドルだが、上値が重い雰囲気は否めない。一方、ユーロ円はNY時間に入ってリスク回避の雰囲気から円高の動きが見られ、177円台前半に下落している。
ユーロのショートが一段と拡大している。先週金曜日に米商品先物取引委員会(CFTC)が公表していた建玉報告では、投機筋の売り越しが総建玉比で23.8%と、前月の11.7%から売り越し幅が一段と拡大していた。これは市場におけるユーロ売り圧力の強まりを浮き彫りにしているが、内訳をみると、買い建玉が減少した一方、売り建玉の増加傾向が顕著となっていた。
フランスの政治・財政への警戒感が強まる中で、ユーロに慎重な見方は根強い。
ポンドドルは1.34ドル台半ばに値を落とす動き。ただ、1.35ドル台には慎重なものの、リバウンド相場は継続している。一方、ポンド円はNY時間に入ってからの円高で212円台前半に下落。
本日は英中銀が金融政策委員会(MPC)の結果を公表し、利上げを発表した。利上げ自体は想定通りではあったものの、雰囲気は想定以上にタカ派な印象で、市場では、12月にも追加利上げがあるのではとの見方も出ている。短期金融市場では55%の確率で織り込む動き。
エコノミストからは、英中銀は市場の利上げ期待をけん制してくるのではとの観測も多かったが、来年のインフレが5%近くに達する見通しと警告し、ベイリー総裁も「追加利上げを支持する論拠がある」と述べていた。英中銀は、消費者物価が27年第2四半期に4.9%でピークに達し、23年9月以来の高水準になると予想。その後は鈍化し、29年には中銀の目標である2%を下回ると見込んでいる。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。