ドル円、一時152円台まで急落 円ショートの巻き戻しが急速に進む=NY為替序盤
きょうの為替市場、円高が加速する中、ドル円は一時152円台まで急落。足元は下げ渋っているものの、来週のFOMCと日銀決定会合を前に円ショート勢の巻き戻しが急速に進んでいる。過去1週間で円は約4%上昇しており、ドル円は200日線から大きく下方乖離するなど、円高の勢いが鮮明となっている。
円高の背景には、日銀の追加利上げ期待の高まりを受けた円キャリー取引の巻き戻しがある。足元の円の上昇幅は2024年8月の円急騰に近く、当時も日銀の利上げと植田総裁による追加利上げ示唆をきっかけに、キャリー取引が大規模に解消された。今回も円高による為替差損が金利差から得られる収益を圧迫する中、投資家がポジション縮小を急いでいる可能性が指摘されている。
一部では円高の水準以上に、その「スピード」への警戒感が強まっている。円キャリー取引の巻き戻しがさらに進めば、投資家が損失を抑えるために保有資産の売却を迫られ、高ベータ株や新興国通貨、リスクの高いクレジットなどにも売りが波及する可能性がある。異なる資産が一斉に下落すれば資産間の相関が高まり、分散投資によるリスク軽減効果が薄れることから、急速な円高が世界の金融市場全体を不安定化させるリスクも意識されているようだ。
警戒感はオプション市場にも表れている。ドル円の2週間物のボラティリティはと7カ月ぶりの高水準を更新。1カ月物も1月以来の高水準となり、3カ月物も3月30日以来の高水準まで上昇。投資家が目先だけでなく、もう少し長い期間に渡る相場変動の拡大に備えていることがうかがえる。
もっとも、短期間で円高が急速に進んだことで過熱感も強まっている。ドル円のRSIは売られ過ぎの目安となる30を下回っており、円ショートの巻き戻しが一巡すればドル円に自律反発が入る可能性には注意が必要。
今週は10日木曜日に8月の米生産者物価指数(PPI)、11日金曜日に米消費者物価指数(CPI)が公表される。来週のFOMCに影響を与えそうな最後の重要指標だが、コアCPIは落ち着いた内容が予想されている。短期金融市場では現状、来週の利上げ確率は60%程度で織り込まれている。
日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。
8日(火)
現行付近にはなし
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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