【これからの見通し】有事のドル買いを軸とした相場展開、週末調整圧力をこなすか
【これからの見通し】有事のドル買いを軸とした相場展開、週末調整圧力をこなすか
東京市場は値動きが限定的な膠着状態となっている。しかし、昨日の海外市場ではドル高の動きが強まり、現在もそのドル高水準と踏襲している。ドル高の背景には米国とイランの攻撃の応酬の激化があり、さらに紅海の船舶航行問題など一段と事態が悪化していることがある。
昨日のNY時間にはNY原油先物が93ドル台半ばまで急伸。本日は調整が入っているが、91ドル台の高水準を維持している。為替市場では有事のドル買いが市場全般のトーンを形成している。ドル円は163円台後半から164円台をうかがっている。ユーロドルは1.13台後半と1.14台が重い。ポンドドルは1.33台前半から大台を目指す動き。
ドル円相場に関しては、上記の有事のドル買いを軸として、原油高の長期化が懸念されるなかで交易条件悪化が円売りを誘う面も指摘される。また、世界的にサプライチーン問題やエネルギー価格高騰が今後のインフレ圧力となることが警戒されており、加えて本日から発効される米国の新規関税(10から12.5%)もグローバルな物価上昇リスクとして意識されている。これらにより各国中銀には利上げ圧力がかかっている。日銀の早期利上げ観測も、その他主要中銀の利上げ観測が勝ることで金利差を背景とした円キャリー取引への誘因となっているようだ。
一方、米財務省の最新報告書は、円が40年ぶりの安値を更新したことを受けて、過度な為替変動は望ましくないと警告し、日本銀行に利上げを継続するよう要請した。さらに、片山財務相は日米両国が24時間体制で緊密に連絡を取り合っていることを認め、必要であれば為替市場で断固とした措置をとる準備があることを改めて強調した。これらの動きが円安進行を食い止めるのかどうかが注目される。ただ、現時点では、ドル円の反応は薄い。構造的なドル高・円安圧力は根強いようだ。週末を控えて、実際に為替レートチェックもしくは実弾介入が実施されるのかどうかがポイントとなろう。
この後の海外市場で発表される経済指標は、フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国などのPMI速報値(7月)、カナダ鉱工業製品価格(6月)などが予定されている。各国のPMIの強弱に市場反応が期待される。特に米国の強さが示されれば、再びドル高方向に動意付きそうだ。
発言イベント関連では、ECB専門家予測、ECB消費者インフレ期待(6月)などが昨日のECB理事会のおさらいとなりそうだ。また、英DMPインフレ調査(7月)は来週の英MPCの参考材料となろう。レーンECBチーフエコノミストがイベントに出席する。FRBはブラックアウト期間に入っている。政治関連では、トランプ米大統領のホワイトハウス記者協会晩餐会出席が注目される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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