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為替相場まとめ5月18日から5月22日の週

為替 

 18日からの週は、ドル高圏で一進一退の値動き。米長期金利動向と中東情勢を軸に、為替市場が「ドル高・円安基調」と「地政学リスクによる揺り戻し」の綱引きとなった。週初は、最近の強い米インフレ指標を受けた米長期金利の上昇を下支えに、ドル円は159円台を中心に底堅く推移。日本では補正予算前倒し観測が財政赤字懸念を強め、円売り圧力を補強した。一方で、米国によるイラン産原油制裁の一時免除提案や、トランプ大統領の攻撃見送り発言など、イラン情勢を巡る報道が断続的に相場を揺らし、ドル買いとドル売りが短時間で切り替わる神経質な展開が続いた。原油価格の急伸・急落が金利とドルの方向性を左右し、ユーロドルは1.16ドル台を挟む水準で上値重く推移。ポンドは英政治情勢の不透明感やPMI悪化を背景に不安定な値動きとなった。週後半にかけては、米イラン協議の進展期待がドルの上値を抑える一方、FRB利上げ観測が下値を支え、ドル円は158円台後半から159円台での振幅に終始。株高を背景とした円売りや、介入警戒感による上値抑制が交錯し、方向感に乏しいながらも高値圏での推移が続いた週であった。


(18日)
 東京市場では、先週の力強い米物価統計を背景に米債利回りが上昇(10年債が4.63%台、30年債が5%超)し、全面的なドル高が進行した。ドル円は朝方の158.54円からじりじりと上昇し、昼過ぎには節目の159.07円を付けた。その後、介入警戒感から158.83円まで急落する場面もあったが、地合いは強くすぐに159円台へ回復。高市首相による補正予算案の前倒し示唆で日本の財政赤字懸念が強まったことも円売りを後押しした。ユーロドルが1.1608ドルまで下落後に反発し、ポンドドルも1.33ドル台を維持。クロス円も円売り優勢で、ユーロ円は184.89円、ポンド円は212.00円台まで上値を伸ばす展開となった。

 ロンドン市場で、ドル円は158円台後半での揉み合いとなった。東京市場で159円台に乗せたものの買いの勢いは続かず、さらに「米国がイラン産原油に一時的な制裁免除を提案」との報道で一時158.69円までドル売りが進行。NY原油先物も下落に転じるなどドル高原油高の動きは一服した。しかし、日本の補正予算編成指示を受けた財政赤字懸念による円売りが下値を支えている。ユーロドルは上昇基調を維持し、イラン報道を受けて1.1650ドル台へ上昇。ポンドドルは英地方選での与党惨敗による政治的警戒から売られていたが、ドル高一服で買い戻しが広がった。ユーロ円は185円台、ポンド円は212.71円付近まで上昇した。

 NY市場は、イラン情勢を巡る錯綜した情報に振らされる展開であった。米国によるイラン産原油の制裁免除提案で戻り売りに押された後、イランの新提案を米側が実質的でないと判断したとの報道で再びドルが買い戻された。トランプ大統領のイラン攻撃中止発言で一時158円台に戻す場面もあったが、底堅く6日続伸し再度160円をうかがう気配である。原油高を背景にFRBの年内利上げ確率を60%織り込む動きもドルを支援。一方、ユーロドルは1.16ドル台半ばへ戻すも200日線の下で上値が重く、下値警戒感が継続。ポンドドルは次期首相候補バーナム氏の財政規律維持の方針が安心感となり1.34ドル台へ回復したが、IMFは英中銀に利上げ不要と提言している。

(19日)
 東京市場では、ドル高が優勢となるなか、ドル円は朝方の158.75円から159.05円まで上昇した。前日のトランプ大統領によるイラン攻撃予告でドル買いが先行したものの、今朝になって「攻撃見送り」をSNSで表明したため一時ドル売りが優勢となった。しかし下げ一巡後は再びドル買いの流れに戻り、米10年債利回りが4.586%から4.611%へ上昇する動きと連動して堅調に推移。NY原油も攻撃見送り報道で一時下落したが、ロンドン勢参入後に108ドル台後半へ上昇した。ユーロドルはドル高一服で1.1662ドルを付けた後に1.1634ドルへ軟化。クロス円は対ドルでの下落に押され一時軟調であったが、その後反発している。

 ロンドン市場では、全般的にドルが買われる展開となり、ドル円は前日の高値を超える159.18円まで上値を伸ばした。トランプ大統領の「イラン攻撃見送りは短期間にとどまる」との見方から、有事のドル買い・原油買いが再燃。ロンドン勢の本格参入に伴いNY原油が109ドル台に乗せ、ドル高の流れが一段と強まった。このドル全面高の影響を受け、ユーロドルは1.1611ドルまで下落、ポンドドルも1.3387ドルまで軟化後に反発するなど上値の重い動きとなった。東京市場で185円台を維持していたユーロ円は対ドルでのユーロ売りに押され184.82円前後へ下落。豪ドルは中銀議事要旨での利上げ期待後退を受け、0.7109ドルと安値を更新した。

 NY市場では、ドル円は日米財務相の発言に上下動しつつも、概ね高値圏を維持した。ベッセント米財務長官の「過剰な為替変動は望ましくない」との発言や片山財務相の牽制発言で一時円高に振れたが、米30年債利回りが2007年以来の水準へ上昇したことでドルがサポートされ、160円をうかがう展開が継続。日本の補正予算による追加国債発行懸念も円売り要因となっている。ユーロドルは1.15ドル台まで沈み4月以来の安値を更新、テクニカル的にも下値警戒感が強まっている。ポンドドルは英雇用統計の悪化(失業率5.0%への上昇や雇用者数急減)を受けて利上げ期待が後退し、1.33ドル台へ下落。今後の英経済への懸念も浮き彫りとなった。

(20日)
 東京市場では、前日の日米財務相発言を受けた介入警戒感が意識され、ドル円はやや上値の重い展開となった。東京朝方の159.10円付近から午後には158.82円まで下落したが、前日NY安値には届かず、下値での押し目買いも入り159円前後へ戻すなど値幅は限定的であった。ユーロドルは前日の下落トレンドが一服し、1.1592ドルから1.1613ドルの狭いレンジで落ち着いた値動き。ユーロ円はドル円の下落に連れ安となり一時184.27円まで下げたが、売り一巡後は184.40円付近へ持ち直した。ポンドドルは午後発表の英CPIが前年比+2.8%と予想を下回る伸び鈍化を示し一時下落したが、ベース効果による影響と受け止められ反発している。

 ロンドン市場では、調整主導の落ち着いた値動きとなった。中東情勢の不透明感が続くものの事態の進展がなく、NY原油の軟調推移や米債利回りの低下、欧州株の反発などから市場の警戒感が和らいだ。米エヌヴィディアの決算やFOMC議事録発表を控えた様子見ムードも影響し、為替は狭いレンジでの揉み合いに終始。ドル指数が小幅上昇するなか、ドル円は下押し後に反発し159円台を回復する「下に往って来い」の展開。ユーロドルは1.1584ドル付近、ポンドドルも1.3375ドル付近へ下落した。クロス円はユーロ円が184円台前半、ポンド円が212円台後半と前日比で円高水準での推移が継続。英国の燃料税引き上げ延期報道に対する反応は限定的であった。

 NY市場では、トランプ大統領の「米国とイランの協議が最終段階」との発言を好感し、ドル安が優勢となった。ドル円は一時158.60円近辺まで値を落としたものの、原油高止まりによるインフレ圧力とFRB利上げ観測が根強く下支えされた。注目のFOMC議事録は「インフレ上振れなら利上げ検討」「緩和バイアス削除」などタカ派な内容であったが、市場の想定内で反応は限定的であった。ユーロドルは一時1.1580ドルまで下落後、1.16ドル台へ買い戻されたが、米欧の金利差縮小期待の逆転により上値の重い展開が続いている。ポンドドルは1.34ドル台半ばへ買い戻され、予想を下回った英CPIにもかかわらず英中銀の6月利上げ期待がポンドを支えている。

(21日)
 東京市場は、円売りが優勢の展開となった。日経平均株価が一時2000円超の大幅上昇を記録するなどリスクオンの株高が進行した。前日NY市場で158.60円まで下落していたドル円は、朝方の揉み合いを経て、豪雇用の弱さを受けた豪ドル売り・ドル買いを契機に上昇基調を強め、午後には159.05円まで上値を伸ばした。日銀の小枝審議委員が講演で利上げに前向きな姿勢を示したが、市場は既に6月利上げを織り込んでいたため為替への影響は限定的であった。株高を背景にクロス円も底堅く推移し、ユーロ円はドル円の上昇に合わせて184.88円まで上昇。ポンド円も213.70円前後まで買われ、ポンドドルは1.34ドル台前半での方向感に欠ける値動きであった。

 ロンドン市場は、欧州経済指標と中東情勢の報道に振り回され、相場のテーマが短時間で入れ替わる神経質な展開であった。序盤は仏英PMIの悪化を受けてユーロドルが1.1590台へ下落。中盤に「イラン情勢改善の噂」が流れると原油安・米金利低下を伴うドル売りが発生し、ユーロドルは急反発、ドル円は158円台後半へ下落した。しかしその後、ロイターが「イラン最高指導者が濃縮ウラン在庫の国内保持を発言」と報じると一転して有事のドル買いが再燃。NY原油が反発し米10年債利回りも上昇するなか、ドル円は再び159.14ドル付近へと高値を更新し、ユーロドルは1.16手前へ押し戻された。ポンドも指標と報道の間で1.34ドル台を激しく乱高下した。

 NY市場では、序盤はドル買いが先行しドル円は159円台で推移したが、米国とイランの和平合意への期待が高まったことで後半は戻り売りに押され、158円台へ伸び悩んだ。米メディアが「イラン合意に前向きな兆候」と報じたことで原油相場が一時96ドル台へ急落し、米金利も低下したことがドル売り要因となった。ユーロドルは1.16ドル台へ持ち直したが、弱いユーロ圏PMIを受けてECBの利上げペース鈍化リスクが浮上しており上値は重い状況である。ポンドドルは1.34ドル台を回復し200日線を巡る攻防が継続。英PMIの悪化は、政治的不確実性が企業心理を圧迫するスタグフレーション懸念を浮き彫りにし、ポンドの重荷となっている。

(22日)
 東京市場は、主要通貨は目立った動意なく推移。午後にややドル高となったものの全体的に値幅は限定的だった。 ドル円は前日の下落を受け158.90円台でスタートした後、159円台を回復。午後にはNY原油の反発を手掛かりに159.14円まで今日の高値を更新した。ただ、中東情勢の不透明感を背景に、週末を挟んだポジション維持には慎重姿勢が根強く、上値追いは続かなかった。 他通貨も小動きに終始した。ユーロドルは1.1607-1.1622ドルの狭いレンジで推移。ユーロ円は184円台後半でのもみ合いとなった。ポンドは15時発表の英小売売上高が弱い結果となり若干売られたが影響は限られ、対ドル・対円ともに方向感を欠く静かな展開となった。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。NY原油先物は一時99ドル台へ乗せ、インフレ警戒や有事のドル買い圧力が継続。週末および米国の三連休を控え、米債市場が短縮取引となるなかで市場はポジション調整主体の神経質な地合いとなっている。ドル指数は前日NY終値近辺でもみ合いながらも底堅さを維持し、ドル円も159.15付近までじり高になっている。欧州通貨はユーロ売り・ポンド買いと明暗が分かれた。ユーロドルは1.16台割れへと軟化。独Ifo景況感指数が予想を上回る改善を示したものの買いは続かず、ECBの利上げ観測に伴う景気減速懸念が上値を抑えた。一方、ポンドドルは弱い英小売売上高にもかかわらず下値が堅く、前日の弱いPMIで消費不振を織り込んでいたことや、英政治リスクを背景に積み上がっていたポンド売りに調整が入った格好。ユーロポンドのクロス相場は軟調に推移している。

 NY市場でドル円は159円台前半での推移が続いた。ウォラーFRB理事が「利下げと同じくらい利上げの可能性もあることを明確に示すべき」との考えを示したことから、ドル高の反応も見られていた。ただ、欧米の3連休を控えていることもあり、全体的に様子見の雰囲気も広がり、小幅な値動きに留まっている。本日はホワイトハウスでウォーシュ氏のFRB議長就任の宣誓式が行われた。トランプ大統領がスピーチを行い「自分のやり方でやるべきだ」と述べていた。ウォーシュ新議長は混乱する米経済と、金利に対して明確な期待を持つ大統領の双方に対応しなければならない立場となる。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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