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【通貨別まとめと見通し】南アランド円:9.40円台後半での底打ちから9.50円台後半へ鮮やかな急反発、地政学リスクを睨みつつ9.60円台の奪還へ

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【通貨別まとめと見通し】南アランド円:9.40円台後半での底打ちから9.50円台後半へ鮮やかな急反発、地政学リスクを睨みつつ9.60円台の奪還へ

先週(5月11日〜5月18日)のまとめ
先週の南アフリカランド円は、週前半の堅調な地合いから一転、週末にかけて他クロス円の大崩れに巻き込まれる形で大きく下押しした。しかし、週明け18日のロンドン時間以降に猛烈な巻き返しを見せ、一時は調整幅をほぼ帳消しにするV字回復を達成。新興国通貨特有のボラティリティの高さを見せつつも、中長期的な上昇トレンドの底堅さを強く印象付ける1週間となった。
9.60円台乗せと年初来高値圏への肉薄(5月11日〜14日)
週初11日(月)は9.53円近辺からスタート。新興国通貨へのリスクオンセンチメントを背景に買いが先行すると、13日(水)には明確に9.60円台を突破した。勢いは衰えず、14日(木)のロンドン時間には一時9.6425円まで上値を伸ばし、年初来高値圏へと肉薄。高金利通貨としての妙味が改めて意識され、売り方を圧倒するロケットスタートを切った。
週末のクロス円急落ドミノと週明けのヒゲを伴う大底確認(5月15日〜18日朝)
しかし、15日(金)の欧州時間以降、風向きが急変する。日本当局の介入警戒感が燻る中で主要クロス円(ポンド円やユーロ円)が利益確定売りに急落すると、ランド円もこれに追随。15日深夜に9.50円割れ(安値9.4931円)まで売り込まれると、週明け18日(月)の東京時間朝方には、流動性の薄い中で一時9.4672円まで下押しを拡大した。
怒涛のショートスクイーズと9.50円台後半への急反発(5月18日夜〜19日現在)
欧州勢が本格参入した18日(月)午後以降、相場は劇的な暗転(反転)を迎えた。9.46円台が「売られすぎ」と判断されると、実需のランド買いや売り方のストップロス(買い戻し)を巻き込んだ猛烈なV字回復がスタート。ニューヨーク時間には9.57円台(高値9.5795円)まで急反発して引けた。明けた本日19日(火)午前現在も勢いを維持し、一時9.5914円まで上値を伸ばすなど、9.60円大台の再奪還を完全に射程圏に捉えている。
ファンダメンタルズ分析
ランド円の乱高下の背景には、「南アフリカ準備銀行(SARB)のタカ派スタンス」と「5月末の総選挙を控えた政治的思惑」が交錯している。
• 南アフリカ側(金利・イベントリスク): SARB(中央銀行)は国内のしぶといインフレ圧力を警戒し、利下げ開始に極めて慎重な「高金利維持(タカ派)」姿勢を崩していない。これがランドの魅力(スワップ効率の高さ)を担保している。一方で、5月末に控える南アフリカ総選挙(議会選)を前に、与党ANC(アフリカ民族会議)の単独過半数割れや連立政権樹立を巡る政治的不確実性が、投機筋による「仕掛け的な売り(15日〜18日朝の急落)」の口実になりやすい側面もある。
• 外部環境(コモディティ高): 金やプラチナなどの国際商品(コモディティ)価格が底堅く推移していること、また中国景気の緩やかな持ち直し期待が、資源国通貨であるランドのファンダメンタルズを強力に支えており、これが急落局面での迅速な買い戻し(V字回復)へと繋がった。

テクニカル分析
• トレンド: 短期的には一時的にチャネル下限を割り込む「ブレイクアウト・フェイク(ダマシ)」を演じたのち、V字反発によって力強く上昇トレンドのメインチャネル内へ回帰した。18日朝に記録した9.4672円は、日足・時間足レベルで非常に長い「下ヒゲ」を形成しており、ここが中期的な岩盤支持線として市場に強烈にインプットされている。
• レジスタンス1: 9.6000(心理的大台、かつ先週中盤の保ち合い上限水準)
• レジスタンス2: 9.6425(先週14日の最高値、年初来高値の防衛線)
• サポート1: 9.5300 - 9.5500(直近19日午前の保ち合い下限、レジスタンスから転換したサポート)
• サポート2: 9.4670(先週18日の下ヒゲ最安値・絶対的防衛線)
RSI (14時間足):
18日午前の急落時には一時 19.2 まで低下し、極端な「売られすぎ」を示していた。そこからの急反発により、19日早朝には一時70手前(強気圏の天井)までV字回復。現在は 50〜55 付近のニュートラルな位置まで落ち着きを取り戻しており、ここからの需給次第で上下どちらにも動ける(買いの余力を残した)絶妙な水準にある。
MACD:
15日〜18日朝の急落で一時ゼロライン下方へ沈みかけたが、18日夜の爆発的な反発によって急角度の「ゴールデンクロス」を確定。ヒストグラムもプラス圏で急速に拡大しており、売り方のモメンタムを完全にへし折り、短期的な買い優勢の地合いにシフトしたことを示している。

今後のポイント・見通し
今週の最大の焦点は、「9.55円水準のキープ」と、迫り来る総選挙思惑をはねのけて「9.60円の大台定着から先週高値(9.64円)を更新できるか」である。

【メインシナリオ】V字反発完了に伴う9.60円台突破と年初来高値更新
先週金曜日から月曜朝にかけての「ランド売り・円買い」のスパイクによって、政治リスクを恐れた短期の個人投資家や投機筋のペソ・ランドロングが綺麗に一掃(ロスカット)された。需給が軽くなったことで、高金利を狙う実需・長期勢の買いが入りやすくなっている。現在の9.55円近辺で足固めを終えれば、再び9.60円台へ突入。総選挙を巡る極端な悪材料が出ない限り、先週高値の9.6425円を捉え、9.70円を視野に入れた上昇チャネル上限への回帰が進む。
• 想定レンジ: 9.5000 - 9.6800
• 根拠: 18日の下ヒゲ(9.46円台)によるボトムアウトが極めて強固であること、商品価格の上昇トレンド、MACDの強力な反転サイン。

【対抗シナリオ】総選挙リスクの顕在化による上値の重さと再調整
9.60円の大台手前で戻り売りに押され、さらに「5月末の総選挙で与党が大敗し政局が混乱する」との観測が海外市場で強まった場合、リスク回避のランド売りが再燃する可能性がある。その場合は18日の反発が「一時的な全もどし(デッド・キャット・バウンス)」となり、再び9.50円の心理的節目を割り込んで9.45〜9.46円の岩盤支持線をテストする展開も想定しておく必要がある。
• 想定レンジ: 9.4500 - 9.6000
• 根拠: 5月末に向け政治的イベントリスク(選挙ボラティリティ)がピークに達すること、ドル円主導のクロス円全体の急な利食いリスク。
総評
先週後半から今週初にかけてのランド円は、新興国通貨のジェットコースターのような激しさを体現した展開となった。しかし、9.46円台からの驚異的なリバウンドスピードは、他クロス円(ユーロ円やポンド円)の戻り足と比較しても遜色なく、ランドの底流にある「買い圧力」の強さを証明している。
今週中に9.55円台を死守し、宿題となっている「9.60円台への完全定着」を成し遂げられるか。市場は5月末のビッグイベント(総選挙)を睨みつつも、高金利の果実を求めて着実にランド買いの歩みを再開させようとしている。

今週の主な予定
05/20 17:00 消費者物価指数 (4月) 予想 1.0% 前回 0.6% (前月比)
05/20 17:00 消費者物価指数 (4月) 予想 3.8% 前回 3.1% (前年比)
05/20 20:00 小売売上高 (3月) 予想 2.4% 前回 1.6% (前年比)

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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