【本日の見通し】ドル高基調継続か、米国の年内利上げ期待の台頭がドル買い誘う
【本日の見通し】ドル高基調継続か、米国の年内利上げ期待の台頭がドル買い誘う
ドル円は海外市場で158.42円まで上値を伸ばした。直近の市場で上値を抑え、市場が日本の通貨当局の防衛ラインとして意識していた158.00円を超えた後、いったん157.37円まで急落する場面が見られ、介入ではとの見方が広がったが、すぐに反発し、急落前の水準を超えてドル高円安が広がった。東京午後にも157.90円台から157.54円まで急落して戻す場面が見られた。こちらは増一行日銀審議委員が鹿児島県経済同友会で行った講演で「景気下振れの兆しがはっきりとした数字で表れないのであれば、できる限り早い段階での利上げが望ましい」と発言したことがきっかけと見られる。ただ、こちらも急落後にすぐに反発しており、ドル円は下げが続かないとの印象が広がっている。ドル全般の上昇基調もあり、介入警戒感がありながら、上値トライの意識が続く展開が見込まれる。
ここにきての米物価統計の強さも、ドル買いにつながっている。今週最も注目度の高い指標であった12日の米消費者物価指数(CPI)が総合、コア共に予想を超える伸びとなった。さらに13日の米生産者物価指数(PPI)が予想を大きく上回る衝撃的な高い伸びとなると、昨日の米輸入・輸出物価指数も予想を超える伸びを示した。一方昨日の米小売売上高は予想を超える堅調な結果となり、物価高の一方で、米家計の購買意欲の継続が示されている。こうした状況を受けて、ウォーシュ新議長の下でのFRBでも利下げは難しいとの見方が広がるだけでなく、年内利上げに向かうとの期待が広がってきている。金利先物市場動向からの政策金利見通しを示すCMEのFedWatchツールでは、年内利上げを45%程度織り込んでおり、据え置き見通しと見方が拮抗しつつある。先週末時点では利上げ見通しが15%弱となっていたことを考えると、利上げ期待が今週一気に強まってきている状況が見られ、ドル高の材料となっている。
ドル円は介入警戒感とドル全面高への警戒感が交錯。介入が実際に入らなければ地合いは堅調で、ドル円は158円台後半に向けた動きが見込まれる。160円に近づくと介入警戒感が一層強まるとみられることから、159円台でのドル買い円売りには慎重になりそう。
ユーロドルはドル高を受けて上値が重い展開。1.1700ドルをしっかり割り込んでおり、ユーロ安基調が強まっている。4月30日の安値1.1655ドルが目先のターゲットとなりそう。
ユーロ円は対ドルでのユーロ安と円安が交錯。介入ではないかと見られる円買いが入った際には、一時的な急落を見せるが、すぐに反発するなど、地合いの強さは継続も、対ドルでのユーロ売りが強まる中で、上値トライにも慎重。この後もドル主導の展開が見込まれ、やや不安定な動きとなりそう。
ポンドドルはドル全面高の中、1.3400ドルを割り込む動きを見せている。この後も戻りでは売りが出ると見られ、1.3450ドル前後が重くなるようだと、もう一段の下げがありそうだ。
ポンド円は対ドルでのポンド安が重石となり、一時212.00円を割り込んだ。ドル円の堅調地合いが支えも、政治不安もあってポンドはユーロに比べても売りが出やすい地合いだけに、対円でも戻り売りの流れが広がりそう。
MINKABUPRESS 山岡
執筆者 : MINKABU PRESS
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