ドル安、26年に本格化の可能性 FRBの利下げと日銀利上げが逆方向に作用=NY為替
きょうの為替市場でドル円はNY時間に入って下げが加速し、一時154円台に下落。東京時間には156円台まで買い戻されていた。朝方発表の米新規失業保険申請件数が予想以上だったことでドル安が加速。前日のFOMCおよびパウエル議長の会見を受けたドル安の流れは続いている。
2026年にかけて、米国と日本の金融政策が想定以上に真逆の方向に進むとの見方から、ドル安の新たな波が到来する可能性が高まっているとの指摘が出ている。
今年のドル円は強さを保ってきたが、日米の金利差縮小が進むなかで、現在のドル円の買い戻しは行き過ぎとの声が増えている。FRBは利下げを継続の一方、日銀は追加利上げに向けて動くと見られるため、歴史的な相関関係が再び作用すれば、ドル円の大幅な下落が起きてもおかしくないという。
次期FRB議長の最有力候補としハセット米国家経済会議(NEC)委員長の名前が浮上していることも、よりハト派寄りの政策転換への期待を高め、他通貨への投資利回り改善につながりやすい。
市場では、来週12月19日の日銀決定会合での利上げ予想が急速に高まっており、短期金融市場では90%程度の確率で織り込んでいる。これは約30年ぶりの高水準。また、2026年10月までの追加利上げも既に織り込まれている状況。
一方、FRBは前日のFOMCで政策金利を3.50-3.75%へ引き下げ、来年の利下げ見通しは1回に据え置いた。ただ、市場は来年末までに1.00%ポイントの利下げを織り込んでおり、来年の利下げ幅はさらに拡大すると予測されている。
日本の第3四半期のGDPの落ち込みは一時的とみられ、日銀は目標を上回るインフレ基調を踏まえて利上げを進めるとの見方が有力だ。
USD/JPY 155.03 EUR/USD 1.1755 GBP/USD 1.3431
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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