ポンドドル、1.35ドル台前半で一進一退 シンクタンクからは提言も=NY為替
きょうのポンドドルは1.35ドル台前半での一進一退の展開となっており、方向感のない展開が続いている。一方、ポンド円は上下動しているものの、200円台は重いようで、199円台での推移で変わらず。先週の英中銀の金融政策委員会(MPC)を経て、ポンドに関するテーマもなくなり、市場は専ら11月にリーブス財務相が公表する秋季予算案の景気への影響を探っているようだ。
リーブス英財務相は年金生活者や家主、自営業者らの税負担を増やすことで、被雇用者の懐を痛めずに税収を60億ポンドやすことができると、有力シンクタンクが論じている。国民保険料率を2ポイント引き下げ、所得税の基本税率を2ポイント引き上げべきだという。これにより被雇用者は守られつつ、所得税のみを支払う層の負担が増え、両者の税負担は均等に近づくという。
もっとも、この提案を採用すれば政治的には大きな波紋を呼びそうだとの指摘もある。英労働党は昨年の総選挙で、個人に対する税負担を増やさないと公約して勝利し、政権の座に就いた。所得税の基本税率が引き上げられれば、50年ぶりとなる。一方、被雇用者の税負担は変わらないため、労働党は勤労者を守るとの公約に違反はしていないと主張できる余地はある。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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