クック理事の解任報道などで上下=東京為替概況
クック理事の解任報道などで上下=東京為替概況
朝方は前日のドル高円安基調から147円80銭台で推移していた。9時過ぎにトランプ米大統領が、住宅ローン不正利用疑惑のあるクック理事の解任に署名したと報じられたことで一気にドル売りとなった。147円台前半まで急落。その後も下げ止まらず146円99銭を付けている。トランプ大統領はデジタルサービス課税に絡んで、半導体輸出規制や追加関税の可能性に言及しており、こちらもドル安円高につながった。
少し戻したところで、クック理事からトランプ大統領の権限に異議を申し立て、辞任を拒否する姿勢が示されたことでドルの買い戻しとなり、下げ分を解消。米大統領がFRB理事を解任するためには、犯罪にかかわったケースなど重大な事由によるものとの制限がある。クック理事は2件の住宅で住宅ローンを借りる際に、ともに主たる居住用(米国では主たる居住用の住宅ローンは頭金・利率などでかなりの優遇がある)とした不正の疑惑があるが、まだ確定していない上に、解任に値するものかどうかの議論がある。
14時に公表された7月の日銀の基調的インフレのための指標で、注目度が最も高い刈込平均前年比が+2.0%と6月の+2.3%から一気に鈍化したことも円売りに繋がり、朝の高値をわずかに超える147円89銭を付けている。その後少し落とすも、147円台後半推移。
日本長期債利回りが上昇し、10年債利回りが午後に1.622%と17年ぶりの高水準を付けたが、円買いの動きは限定的なものに留まった。
ユーロドルも朝方のドル高で1.1610前後を付けたところから1.1660まで急騰。その後少し戻して1.1630/40を中心とした推移となっていたが、ロンドン勢の参加後少し下げている。
ポンドドルは朝方の1.3450前後から1.3490まで上昇。ドル円同様にドル安分を解消して昼頃には朝の水準にいったん戻した。その後1.3450/70を中心とした推移。
ユーロ円はクック理事解任報道を受けたリスク警戒の円買いに171円70銭前後から171円33銭まで下落。その後ドル円の買い戻しで元の水準を超えて上昇。朝に上昇したユーロドルの、高値からの調整が限定的なものに留まったことなどから172円00前後を付けた。ロンドン勢の参加後にユーロ売りが強まり、171円60銭台を付けた。
ポンド円は早朝の199円台から少し落とし198円80銭台を付けていたところから、クック理事解任報道での円買いに198円28銭まで売りが出た。その後198円90銭台まで反発。
MINKABUPRESS 山岡

執筆者 : MINKABU PRESS
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