ドル円、143円台半ば 貿易摩擦と中東情勢でリスク回避ムード 米PPIも予想下回る=NY為替序盤
きょうのNY為替市場、ドル安が優勢となっており、ドル円は143円台半ばに値を落としている。貿易摩擦化と中東情勢が市場全体にリスク回避のムードを広げ、ドルは下落。最近のリスク回避はドル安の反応に変化しており、ドルは2022年以来の最低水準に接近している。
先ほど発表の5月の米生産者物価指数(PPI)もドルをさらに押し下げた。米PPIは前月比0.1%の上昇と、前日の消費者物価指数(CPI)に引き続き、予想を下回る内容となり、5月はインフレが加熱しなかったことを示している。5月はトランプ関税の影響が本格化する時期でもあったため、市場も警戒していた。
今回の結果を受けて市場は年内の米利下げ期待をさらに高めており、短期金融市場では2回を完全に織り込み、3回の可能性も織り込み始めている状況。ただ、FRBは関税の物価への影響を気にしており、利下げへの慎重姿勢に変化はないものと見られている。来週のFOMCに向けて、委員は今週から発言を控えるブラックアウト期間に入っているが、今後の動向を更に確認したい意向と思われる。
貿易摩擦と中東情勢については、トランプ大統領が、今後数週間で数十カ国の貿易相手国に対して一方的な関税を課す意向を表明し、不確実性を高めている。米中協議は合意したといいながらも不透明感から懸念残る。
一方、中東情勢の緊張が高まっている。イラン情勢が再び緊迫化してきており、米政府はきのう、中東地域が危険な場所になる可能性があるとして、同地域から米国人を退避させていると発表した。
なお、本日は午後に米30年債の入札を控え、市場も注目。
日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は143円に観測。
12日(木)
143.00(12.8億ドル)
13日(金)
144.00(12.7億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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