ドル円の下げは一服、144円台半ば 欧州株高などリスク動向落ち着く=ロンドン為替概況
ドル円の下げは一服、144円台半ば 欧州株高などリスク動向落ち着く=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、円高やドル高の動きは一服している。ドル円はロンドン序盤に144.10レベルまで安値を広げたあとは、144.50付近へと下げ渋っている。ユーロドルは1.1278近辺まで買われたあと、1.1250割れ水準へと反落している。ユーロ円はロンドン早朝に162.42近辺まで下押しされたあとは162.70台まで反発。その後は162円台半ば付近で推移している。ドル円とユーロ円は前日比で円高圏での推移。ユーロドルは前日終値付近へと戻す動き。ロンドン朝方にかけての円高については、日米通商交渉と並行して日米財務相会談が実施される見込みとなっており、その内容を確認できるまでは米国側からの円安是正圧力への警戒感が残っている。また、この日の20年債入札が不調だったことを受けて、30年債など超長期債利回りが1999年以降の最高水準を記録したことなどが材料視された。ロンドン時間に入ると欧州株が堅調に推移しており、前日にみられた米格下げへの反応は一巡した格好になっている。ユーロポンド相場は方向感に欠けており、ポンドドルやポンド円もユーロ相場と同様の値動きとなっている。
ドル円は144円台半ばでの取引。東京午前に145.51近辺まで買われたあとは、上値を抑えられている。ロンドン序盤にかけて144.10近辺まで下押しされた。その後は144円台半ばへと下げ渋っている。前日の米株式市場がプラスに転じて引けたことで、欧州株も堅調に推移している。日本の超長期債利回り上昇や、日米財務相会談を前にした不透明感などによる円高圧力は一服。
ユーロドルは1.12台半ばでの取引。東京午前にドル高局面で1.1218近辺まで下押しされたあとは、上昇に転じている。ロンドン序盤には1.1278近辺まで高値を伸ばした。その後は買いも一服し、1.12台半ばと前日NY終値付近に戻している。ユーロ円はドル円と同様の動きで、東京午前の163.28近辺を高値として、ロンドン朝方にかけては162.42近辺まで安値を広げた。その後は、162円台後半から半ばで推移している。対ポンドでは前日終値を挟んだ振幅にとどまっている。シュナーベルECB理事、クノット・オランダ中銀総裁らは6月利下げについて明言を避けており、根強いインフレ圧力を警戒していた。
ポンドドルは1.33台後半での取引。東京午前の1.3345近辺を安値に、ロンドン序盤の1.3395近辺を高値とするレンジ相場となっている。足元では前日NY終値付近に押し戻されている。ポンド円は東京午前の194.21近辺を高値に売られており、ロンドン序盤には192.92近辺まで下押しされた。その後の戻りは193円台前半までにとどまり上値が重い値動き。ユーロポンドは0.8405から0.8424までのレンジで方向感なく推移している。ピル英中銀チーフエコノミストはディスインフレのモメンタムに停滞の兆しと指摘。直近の英MPCでの据え置き支持については、四半期ごとに25bpの利下げペースは急すぎることを示したかったとしている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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