【これからの見通し】円安の動き根強い、本邦超長期債利回りの低下は一時的
【これからの見通し】円安の動き根強い、本邦超長期債利回りの低下は一時的
東京市場では円高の動きが先行。このところの円安の流れにやや調整が入る格好となった。本邦超長期債利回りの上昇が一服したことに反応していた。しかし、20年債入札を無難に通過した後は、再び利回りが上昇している。米関税をめぐる不透明感や、参院選に向けて国債増発が警戒されることなどを背景に根強い債券売り(利回り上昇)と日本売り的な円売り圧力がみられている。
ドル円相場は146円台前半から145円台後半で下に往って来いとなっており、一段と上値を追うまでには至っていない。ただ、ユーロ円やポンド円、豪ドル円などの主要なクロス円では前日比円安水準へと上昇しており、ユーロドルなど他通貨でのドル売りを伴う形で円安の動きがみられている。
ドル相場は7月に入ってからのドル高の流れが一服している。21日線に上値を抑えられており、10日線をサポートとする揉み合いに落ち着いてきているようだ。ドル相場にとっては、今週は主要な米経済統計発表に欠けていることから、手掛かり難。調整が入りやすい局面となっているようだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、トルコ鉱工業生産指数(5月)、南ア製造業生産高(5月)、米新規失業保険申請件数(06/29 - 07/05)などが予定されている。新規失業保険申請件数は23.5万件と予想されており、前回の23.3万件から大きな変化とはならない見込み。
発言イベント関連では、チポローネECB理事、エスクリバ・スペイン中銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、ムサレム・セントルイス連銀総裁、 ブリーデン英中銀副総裁、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。デイリー・サンフランシスコ連銀総裁は「米経済見通しとFRBの課題」についての講演となり、質疑応答も予定されている。注目に値する内容となりそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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