【これからの見通し】トランプ関税の影響は不確実性高い、日米英などの中銀が状況判断に苦慮
【これからの見通し】トランプ関税の影響は不確実性高い、日米英などの中銀が状況判断に苦慮
今週の注目イベントは日銀、米FOMC、英中銀などの金融政策発表だった。いずれも政策金利を据え置きとし、経済状況を見極める局面と判断していた。どの中銀も口を揃えてトランプ関税の影響について「不確実性は高い」との認識だった。短期的にはインフレが警戒され、より長い期間に関しては景気後退が懸念されている。
なんとも混とんとした状況となるなかで、ドル相場は3月初頭から強まったドル売りが一服しており、ややドル高方向に動き出し相場気配を見せてきている。来週からの本格的な流れとなるのかどうか、週末の値動きがヒントになりそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、英公共部門ネット負債(2月)、トルコ消費者信頼感指数(3月)、フランス企業景況感(3月)、ユーロ圏経常収支(1月)、ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)(3月)、香港経常収支(第4四半期)、カナダ小売売上高(1月)などが予定されている。市場全般に影響を与えそうな指標はみられない。
発言イベント関連では、エスクリバ・スペイン中銀総裁、グールズビー・シカゴ連銀総裁、ウィリアムズNY連銀総裁などの講演が予定されている。エスクリバ総裁はAIが金融に与える影響についての講演で、金融政策関連の話題には乏しくなりそうだ。注目は直近の米FOMC結果を踏まえたグールズビー・シカゴ連銀総裁のCNBC出演とウィリアムズNY連銀総裁の講演となろう。しばらく政策金利を据え置くとのメッセージが強めに伝わるようだと、ドル高の流れを支援する材料となりそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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