ドイツ緑の党、メルツ氏の防衛・インフラ計画支持しない=NY為替
NY時間の終盤に入って、ユーロドルは1.08ドル台での推移が続いている。ここ数日上値は重いものの、米経済への不透明感からドル安が下値をサポートしており、下押す気配もなく、1.08ドル台は維持されている。
ドイツ国債の利回り急上昇もユーロドルの買い戻しをサポートしているが、次期首相就任が有力なメルツ・キリスト教民主同盟(CDU)党首が打ち出した数千億ユーロに及ぶ防衛・インフラ支出がある。ただ、ドイツの緑の党はこのパッケージを支持しないと表明しており、メルツ氏の看板政策が廃案に追い込まれる恐れも出ている。
先月の選挙で勝利し、連立交渉を進めるメルツ氏だが、この政策の成立には借り入れ制限を緩和する憲法改正を伴うため議員の3分の2の賛成票が必要。そのため緑の党の支持も欠かせない。
トランプ大統領がNATOへの関与を後退させる中で、5000億ユーロに上るメルツ氏の支出計画は欧州の防衛を強化する大きな一歩になるとして、NATO加盟諸国から歓迎された。
しかし、緑の党の指導者たちは、次期政権の連立協議で蚊帳の外に置かれ、気候変動対策など同党の優先政策が無視されているとして、メルツ氏らを強く非難。ただ、さらなる協議の余地は残しており、独自の法案を提出する意向を示した。
EUR/USD 1.0824 EUR/JPY 159.47 EUR/GBP 0.8412
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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