ドル円に急速に売りが強まる 中東情勢の緊迫化が伝わる=NY為替序盤
きょうのNY為替市場、ドル円に売りが強まっており144円ちょうど付近から急速に143円台前半に下落している。中東情勢の緊迫化が伝わっており、リスク回避の円高が出ているようだ。米国債利回りも急低下する一方、原油相場は上昇。米株式市場も下落している。
ホワイトハウスの高官は、米国はイランがイスラエルに対して弾道ミサイル攻撃を間もなく開始する準備をしている兆候を得ていると述べた。「われわれはこの攻撃からイスラエルを守るための防衛準備を積極的に支援している。イランからイスラエルに対する直接的な軍事攻撃は、イランにとって深刻な結果をもたらすだろう」と高官は述べた。
本日は自民党総裁選からの急変が一服し、ドル円も買いもどされていた。なお、首班指名を経て石破内閣が本日発足したが、石破首相は金融緩和について、金融緩和の基本姿勢は維持されるよう期待しながら見守っている。日銀との意思疎通の上、手法は日銀に委ねられるべきと述べていた。
首相はまた、日本経済はデフレ脱却するかどうかの瀬戸際にあり、「経済あっての財政」、デフレ脱却最優先の経済財政運営を行うと述べた。低所得者向け給付金など物価高への緊急対策や新しい地方経済の創生本部を設置を打ち出した。
経済再生担当相に決まった赤沢担当相も日銀の追加利上げについて、慎重な判断を要請し、経済を冷やすようなことは絶対にしばらくはやってはならないと述べていた。
これらの発言もあり、市場では少なくとも今月末の決定会合での利上げはないと見られているようだ。ただ、植田総裁は日銀の見通しに沿って経済・物価が推移すれば利上げを続ける方針を表明しており、12月については根強く利上げ期待が残っている。エコノミストの間では半々といった調査も流れていた。しかし、短期金融市場では来年以降との見方がコンセンサスとなっている状況ではある。
それ以上に前日のパウエルFRB議長の講演を受けて、ドルの流れに若干変化の兆しが見られている。議長は利下げを急がない姿勢を改めて強調し、短期金融市場では11月FOMCでの大幅利下げの確率を35%程度まで低下させている。先週までは55%程度だった。その意味でも今週金曜日の米雇用統計が注目されるが、予想並みかそれ以上の内容であれば、少なくとも11月の大幅利下げへの期待は後退する可能性もありそうだ。
なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は143円と143.40円に観測されている。
1日(火)
143.00 (7.1億ドル)
143.40 (9.3億ドル)
3日(木)
145.00 (19.1億ドル)
4日(金)
141.00 (16.2億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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