ドル売りに調整入る、原油高を意識も ユーロドル1.11台後半=ロンドン為替概況
ドル売りに調整入る、原油高を意識も ユーロドル1.11台後半=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル売りに調整が入っている。先週末のパウエル発言を受けたドル売りに加えて、中東情勢の緊迫化がリスク回避圧力となり、ドル円は週明け東京市場で143.45近辺まで下押しされる場面があった。ロンドン時間に入ると、リスク回避の円買いとドルの買い戻しの動きが交錯している。ドル円は東京市場で形成された144.34から143.45までのレンジ内で神経質に上下動。さらにこの時間帯には原油先物が76ドル台後半へと一段高となっている。リビア東部政府の原油の生産と輸出を停止と報じられたことが火に油を注いでいる。原油高が今後のインフレ圧力を想起させる面もあり、先週末のドル売りに調整が入っている。原油先物の上昇をにらみながら、ユーロドルは1.12付近を高値に1.1160台へと反落。独Ifo景況感指数が予想を上回るも反応薄だった。ポンドドルも1.3220台を高値に1.3180台まで売り戻されている。欧州株はまちまち。英市場がバンクホリデーのため休場となるなかで、独DAX指数はマイナス圏、仏CAC指数はブラス圏で推移。米10年債利回りは3.79%付近と先週末からの低下は一服。
ドル円は144円付近での取引。先週末のNY市場で大幅下落したあと、週明け東京朝方の144.34近辺を高値に、その後も上値重く推移している。ただ、東京午前に143.45近辺の安値をつけたあとは、売買が交錯。ロンドン時間には144円を挟んでの上下動が続いている。
ユーロドルは1.11台後半での取引。東京午前の1.1202近辺を高値に、その後は売りに押される展開。先週末の上昇に調整が入る形となっており、足元では安値を1.1160台へと広げている。米10年債利回りは3.79%台と低下は一服している。ユーロ円は東京朝方の161.55近辺を高値に上値を抑えられている。ロンドン朝方には安値を160.57近辺に広げた。その後は161円付近まで下げ渋っている。対ポンドではユーロは軟調。8月独Ifo景況感指数は86.6と前回の87.0から低下したが、市場予想86.0は上回った。ただ、ユーロ買い反応はほとんどみられていない。
ポンドドルは1.31台後半での取引。東京早朝に1.3179近辺から1.3223近辺まで買われたあとは、売り戻しに押される展開。ロンドン序盤には1.3180台に再び下げた。その後は、原油高をにらんで下げ一服。ポンド円は東京朝方の190.76近辺を高値に上値を抑えられている。ロンドン序盤には189.50付近まで下落した。その後は190円台を回復と、下げも一服。ユーロポンドは東京早朝の0.8494近辺を高値に0.8470付近へと下落。さらに、足元では原油高とともに安値を0.8460付近へと広げている。ポンド買い圧力が根強い。先週末のジャクソンホール会議でベイリー英中銀総裁がパウエル米FRB議長ほどのハト派姿勢を見せなかったことに加えて、中東情勢の緊迫化などを受けた原油高に反応した面もみられている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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