円買い強まる、植田日銀総裁会見で追加利上げについて言及 ドル円一時150円割れ目前に=ロンドン為替概況
円買い強まる、植田日銀総裁会見で追加利上げについて言及 ドル円一時150円割れ目前に=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、円買いが強まっている。この日、日銀は政策金利を0.0-0.1%から0.25%へと引き上げた。国債買い入れ額についても6兆円から3兆円へと減額する計画が発表された。東京午後の発表時にはドル円は152円台割れから154円手前水準で激しく振幅した。152円台後半に値動きが一服して、植田日銀総裁会見を迎えた。総裁は、データ次第では今後の追加利上げの可能性があると示唆、0.5%という政策金利水準を意識しているわけではない、などと述べた。これを受けて市場では想定よりもタカ派的と判断し、円買いを進めた。ドル円は150.07近辺まで急落。その後のロンドン市場でも戻りは151円には届かず、150円台で上値重く推移している。クロス円も全面安。ユーロ円は165円台から162円台まで、ポンド円は196円台から192円台まで急落した。ユーロドル、ポンドドルなどドルストレートは比較的小動き。そのなかではややユーロ買い・ポンド売りの動きがみられた。この日発表された7月ユーロ圏消費者物価速報が前年比+2.6%と前回の+2.5%から上昇したことに反応した。ポンドにとってはあすの英中銀政策金利発表での利下げ観測が上値を重くした面も指摘される。
ドル円は150円台前半での取引。この日は日銀決定会合をめぐって激しい値動きとなっている。利上げ決定の発表直後につけた153.88近辺を高値に151円台後半までの乱高下となったあと、植田日銀総裁会見を控えて152円台後半に落ち着いた。会見では、今後の利上げの可能性が示唆され、水準については0.50%を特に意識していないなどと述べた。今回の利上げについては、データが見通しに沿ったものだったことを強調し、為替は必ずしも最大の理由ではなかった、とした。市場は予想よりもタカ派的だと捉え円買いに殺到、一時150.07近辺まで安値を広げた。その後の戻りは151円には届かず、上値重く推移している。
ユーロドルは1.08台前半での取引。1.0807から1.0840近辺までのレンジで推移。7月ユーロ圏消費者物価速報が前年比+2.6%と前回の+2.5%から上振れたことで、やや買いが優勢になっている。ユーロ円はドル円と同様に円高に振れている。166.53近辺を高値に、ロンドン序盤にかけて162.21近辺まで急落した。その後も163円付近で上値重く推移。対ポンドではややユーロ買いが優勢だった。
ポンドドルは1.28台半ばでの取引。東京昼過ぎの1.2853近辺を高値に、ロンドン序盤には1.2821近辺の安値をつけた。その後は、下げ渋りとなっている。ポンド円はドル円とともに急落。東京午後の197.58近辺を高値に、ロンドン朝方には192.52近辺まで下落した。その後は193円挟みでの揉み合いに落ち着いている。ユーロポンドは0.84台前半で底堅く推移。ユーロ圏CPIの上振れとともに、あすの英MPCでの利下げ観測がユーロ買い・ポンド売りにつながったもよう。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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