円高とともにドル高の動きも、日銀利上げへの圧力など ドル円156円付近=ロンドン為替概況
円高とともにドル高の動きも、日銀利上げへの圧力など ドル円156円付近=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、円高の動きが継続。東京朝方に自民党の茂木幹事長の、過度な円安は日本経済にとってマイナス、日銀に段階的利上げ検討も含め金融政策正常化の方針をもっと明確に打ち出す必要、との発言が報じられた。これを受けて日銀利上げ観測が再燃している。ロンドン時間にも円買い圧力が継続し、ドル円は155.80台、ユーロ円169.40付近、ポンド円201.10台などへと安値を広げている。ロンドン時間にはドルストレートでのドル買いも加わっている。クロス円の下落がユーロドルやポンドドルの上値を重くしたほか、中国発のリスク警戒でドル高となる面も指摘された。資源価格下落やリスク回避に敏感な豪ドルが軟調となり、豪ドル/ドルは0.6620付近に安値を広げている。ユーロドルは1.0850台、ポンドドルは1.2880台まで下押しされた。今月末の日銀決定会合に関する思惑、米FOMCを控えてブラックアウト期間入りとなるなかでのポジション調整、米大統領選関連の思惑からのドル相場の神経質さなど、様々な要素が交錯している状況のようだ。
ドル円は156円付近での取引。東京朝方の157.10近辺を高値に、その後は上値重く推移。ロンドン時間には156円台半ばから155.80台へと安値を広げている。米10年利回りは4.25%台から4.22%台へと低下している。この日は中国株が大幅安となっており、中国発のリスク回避が意識された面もあるようだ。原油や鉄鉱石などの資源価格が下落している。
ユーロドルは1.08台後半での取引。東京昼過ぎの1.0897近辺を高値に、その後は売りに押されている。ロンドン市場では安値を1.0856近辺まで広げてきている。ユーロ円は東京朝方の171.09近辺を高値に、ドル円とともに下落。ロンドン市場では安値を169.39近辺に更新している。対ポンドでは方向性に欠ける振幅にとどまっている。デギンドスECB副総裁は、9月は7月よりも政策の意思決定がしやすい月だ、と述べた。
ポンドドルは1.29付近での取引。東京朝方の1.2936近辺を高値に、ロンドン市場では1.2888近辺まで下落している。ポンド円は東京朝方の203.16近辺を高値に、ロンドン市場では安値を201.15近辺に広げている。ユーロポンドは0.8414-0.8427での振幅と方向性に欠ける動き。この日は特段のポンド関連の材料はでていない。8月1日の英中銀金融政策発表について、市場では4割強が利下げを、6割弱が据え置きを織り込んでいる。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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