【これからの見通し】週明けは静かに取引開始、この後の海外市場では先週の材料蒸し返すか
【これからの見通し】週明けは静かに取引開始、この後の海外市場では先週の材料蒸し返すか
週明けのマーケットは比較的静かなスタートになっている。特に為替市場は膠着状態。ドル円は157円台半ば、ユーロドルは1.07付近、ユーロ円は168円台半ばでの揉み合いが続いている。東京午前に発表された一連の中国経済統計は、新築住宅販売価格が一段と低下、鉱工業生産は予想下回る一方で、小売売上高は予想を上振れていた。上海株はマイナス圏、香港株はプラス圏とまちまちの動き。きょうはシンガポール市場が休場となっており、取引参加者が減っていることも様子見の一因となっているようだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、カナダ住宅着工件数(5月)、カナダ国際証券取扱高(4月)、米ニューヨーク連銀製造業景気指数(6月)など。NY連銀指数の市場コンセンサス予想は-11.3と前回の-15.6から改善する見込みになっている。ただ、先週の一連の材料と比較すると市場の注目度は低そうだ。
発言イベント関連では、日本時間午後4時30分頃から植田日銀総裁が衆院決算行政監視委員会に出席する予定。その後にはレーンECBチーフエコノミスト、デギントスECB理事、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁などの講演が予定されている。
この後のロンドン市場では、まず植田総裁発言を確認したい。先週の日銀決定会合では国債購入減額の具体的な議論が7月に先延ばしとなり、円売りの動きを誘った。一方、植田日銀総裁会見ではデータ次第では7月利上げの可能性も示唆されていた。
欧州に関してはフランスの政局不透明感が今週もテーマとなりそうだ。一部報道によると、ECBは仏国債の緊急購入について議論する予定はないと報じられている。そのような報道があること自体、フランス債の下落が市場に深刻に受け止められている証拠なのであろう。追加ニュースとともに、債券動向にも注目だ。
先週の米FOMCではメンバーの金利予測が従来の年内3回利下げから、1回へと変化した。市場では年内2回程度の利下げを織り込んでいる状況だ。ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁は経済見通しについて講演する予定になっており、自身の金利見通しが語られる可能性もありチェックしておきたい。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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