ユーロが一段安、仏総選挙への不透明感で ドル円は156円台後半=ロンドン為替概況
ユーロが一段安、仏総選挙への不透明感で ドル円は156円台後半=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ユーロ相場が一段安。週末の欧州議会選で独仏与党勢力が後退、極右勢力が躍進した。これを受けて、マクロン仏大統領は国民議会を解散、選挙実施を表明している。市場では政治への不透明感が台頭、仏10年債利回りは先週末比10bp高の3.19%に上昇。欧州株が全面安となるなかで、仏CAC指数は2%超安となっている。ユーロドルは1.07台前半へ、ユーロ円は168円台前半へ、ユーロポンドは0.84台半ばへと水準を下げている。リスク圧力もあり、ドル円は157円台割れから156.70台へと反落している。ポンドドルは1.27台割れへと下げている。ドル指数はユーロドルの下落が主導してドル高方向に動いており、5月14日以来の高水準になっている。先週末の米雇用統計を受けたドル買いに続いて、欧州政治不安をうけた動きも下支えとなっている。スロバキア中銀総裁や独連銀総裁は、追加利下げを急がない姿勢を示したが、ユーロ買い反応はみられなかった。
ドル円は156円台後半での取引。東京市場で157.20近辺まで高値を伸ばしたあとは、上値重く推移している。ロンドン時間には156.70台まで反落しており、東京市場での上げを戻している。欧州株安などを受けてリスク回避の円買い圧力が優勢になっている。
ユーロドルは1.07台前半での取引。東京早朝の1.0809近辺を高値に売り圧力が続いている。足元では安値を1.0730付近に広げてきている。ユーロ円も東京早朝の169.35近辺を高値に売りが継続。ロンドン時間には169円を挟んだ揉み合いから下放れると168.30付近に安値を更新している。対ポンドでもユーロ売りが優勢。週末の欧州議会選で独仏与党勢力が後退、極右勢力が躍進したことで、マクロン仏大統領は国民議会を解散、選挙実施を表明。政治リスクの高まりが欧州債の売り、欧州株売りとともにユーロ売りにつながっている。
ポンドドルは1.27付近での取引。東京早朝の1.2739近辺を高値に、ユーロドルとともに下落。ロンドン時間には安値を1.2688近辺に広げている。ポンド円は東京昼過ぎの199.93近辺を高値に、その後は売りに押される展開。足元では安値を198.94近辺に広げている。ユーロポンドは週明けの0.8486近辺を高値に、足元では0.8450台へと水準を下げている。対ユーロでは堅調も、対ドルや対円では軟調。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。