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ドル円は157円台 タカ派発言でドル買い 円安は根強い=NY為替概況

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ドル円は157円台 タカ派発言でドル買い 円安は根強い=NY為替概況

 きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となり、ドル円は157円台に買い戻された。NY時間にかけて一時156.60円付近まで値を落としていた。タカ派色の強いカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の発言に敏感に反応したようだ。同総裁が「利上げを選択肢から排除した人はいないと思う」と述べたことに敏感に反応したほか、そのあとの米消費者信頼感指数が予想を上回ったこともドル買い戻しを加速させたようだ。

 5月も最終週となったが、市場は週末に発表される4月のPCEデフレータの発表を待っている。総合指数、コアとも前年比で2.7%―2.8%程度の上昇を見込んでいる。既に発表になっている米消費者物価指数(CPI)はインフレの落ち着きを示唆していたが、こちらは前回と変わらずの水準が見込まれているようだ。PCEデフレータはCPIに比べて住居費のウェートが小さいことから低めに出ているが、FRBは住居費とサービスインフレに着目している。

 強い米経済指標やFOMC委員のタカ派発言などで、市場は年内の利下げ期待を後退させている。FRBの利下げについて短期金融市場では、年末までに1回は完全に織り込んでいるものの、2回については35%程度の織り込みに留まっている状況。

 ユーロドルは伸び悩む動きが見られた。ただ、1.08ドル台はしっかりと維持しており、底堅い展開が見られた。1.09ドル台には依然慎重なものの、探る展開は継続している状況に変化はない。市場はECBの6月利下げ開始を確実視しており、ECB理事をそれを追認している状況。だた、市場の関心はその次に移っており、期待ほど利下げはできないのではとの見方も出ている。

 本日はクノット・オランダ中銀総裁の講演が伝わっていたが、モデルによると経済的に大きな代償を支払わずにインフレを下げるのには、年内の利下げ回数は3―4回と見られると述べていた。だだし、直近の賃金指標はまだ急ピッチで上昇していることを示しており、インフレ鈍化の過程は不安定なものになる可能性が高いとも指摘していた。

 金利のガイダンスは役立つが、足元の情勢を踏まえると、特定の金利の道筋についてコミットすることは避けなければならないとも語っている。

 このところのドル円は上げが一服しているものの、円安は根強く続いており、ユーロ円やポンド円などクロス円が高値を更新。特にポンド円は200円台半ばまで上昇し、約16年ぶりの円安水準となっている。介入前の水準に並ぶ動き。

 円キャリー取引が当面続くとの見方が根強い。日銀の追加利上げがあっとしても、市場がキャリー取引の対象として円を選択する意欲を削ぐことはないとの指摘も出ている。他のG10の中銀が予想を遥かに上回る利下げサプライズでも起こさない限り、円は買い余地がないとの声も出ている。

 対ドルでは財務省の介入警戒感があるが、対ポンドでの介入は未知数。過去に対ユーロでは介入があったが、その時はユーロ買い・円売り介入ではあった。今回は円買い介入になるので、売るためのユーロ建てやポンド建ての資産が必要になる。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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