【これからの見通し】米雇用統計に注目、今週のドル安傾向に変化みられるか
【これからの見通し】米雇用統計に注目、今週のドル安傾向に変化みられるか
きょうは3月米雇用統計が発表される。米消費者物価指数とともにドル相場のファンダメンタル材料として最も重要な指標の一つだ。注目度の高い非農業部門雇用者数の市場コンセンサス予想は21.4万人増と前回2月の27.5万人増からやや低下する見込み。失業率については3.8%と前回の3.9%からやや改善がみられる予想になっている。
今週は米雇用統計を控えたタイミングもあって3月から続いたドル高の流れに調整が入っている。ただ、米金融当局者からは、一部に年内1回の利下げにとどまる、もしくは年内の利下げが見送られる可能性を指摘する声もでていた。米雇用統計の結果次第ではあるが、極端に弱含むことが無ければ、今後のインフレ動向をにらみつつ、利下げ回数の減少観測が再びドル相場の下支えとなる可能性もあろう。
ただ、足元では中東情勢の緊迫化が再燃している。原油価格の上昇がインフレ圧力となる一方で、リスク回避圧力が前面に押し出される可能性も否定できないだろう。その場合は、金利差相場からは一時的に離れる可能性もある。株安とともに円高圧力が加わることも念頭に置きたい。これはニュース次第に面もあり、かなり神経質な相場となりそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ユーロ圏小売売上高(2月)、米雇用統計(3月)、カナダ雇用統計(3月)、カナダIvey購買部協会指数(3月)など。
発言イベント関連では、バーキン・リッチモンド連銀総裁、ローガン・ダラス連銀総裁、ボウマンFRB理事などの講演が予定される。コリンズ・ボストン連銀総裁はステーブルコインに関する会議に出席する予定。週末には豪州とニュージーランドが冬時間に移行する。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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