【これからの見通し】来週の一連のイベントを控えて、円相場とドル相場に動意がみられるのかをチェック
【これからの見通し】来週の一連のイベントを控えて、円相場とドル相場に動意がみられるのかをチェック
今週は円相場が来週の日銀決定会合への思惑で神経質に上下動している。週初に146円台半ばまで下落したあとは、振幅を伴いながらも148円台後半まで上昇している。マイナス金利解除が来週の決定会合で発表されるのか、4月に持ち越されるのかが焦点となっている。春闘では13日の回答集中日の続々と満額回答が発表されており、大企業は前年を上回る成果を上げているようだ。きょうは午後4時15分に連合が春闘第1回回答集計結果公表する。
全般的なドル高の流れも今週は確認されている。ユーロドルは1.09台前半を中心に膠着相場が続いたが、足元では1.08台後半に水準を下げている。12日の米消費者物価指数や昨日の米生産者物価指数の根強いインフレ結果を受けて、ドル高方向に傾斜している。市場の米利下げ観測は、当初は6月開始の織り込みが有力となっていたが、一連のインフレ指標を受けてやや後ずれする傾向がみられている。
一方で、先週のECB理事会を終えた後に、堰を切ったようにECB当局者らからの発言が相次いでおり、タカ派メンバーも、データ次第との条件は付けつつも、6月利下げ開始を示唆している。ハト派メンバーは4月利下げの可能性も一部にあるとしていた。米欧の利下げ開始時期には6月から微妙に前後にブレてきているようだ。
きょうは来週の日銀、FOMC、英中銀など一連の金融政策会合を控えて市場のセンチメントを確認する段階となりそうだ。そのなかで、今週後半のドル高の流れが一段と継続するのかをチェックしたい。
経済指標の発表予定は、米国関連はニューヨーク連銀製造業景気指数(3月)、輸入物価指数(2月)、鉱工業生産指数(2月)、ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(3月)など。カナダ関連は、住宅着工件数(2月)、卸売売上高(1月)、国際証券取扱高(1月)など。米景況感関連や鉱工業生産指数で米景気の強弱感を確認したい。
発言イベント関連では、上記の春闘集計結果発表のほかには、パネッタ伊中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、レーンECBチーフエコノミストなどの講演が予定されている。市場調査会社イプソスの英インフレ態度調査(2月)もチェックしておきたい。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。