ドル円、150円台前半でのレンジ取引 議事録は雰囲気を再確認する内容=NY為替概況
ドル円、150円台前半でのレンジ取引 議事録は雰囲気を再確認する内容=NY為替概況
きょうも為替市場は緩やかなドル売りが続いていたものの、ドル円は150円台前半の狭い範囲での値動きに終始した。全体的には様子見の雰囲気が広がる中で、次の材料探しの状況のようだ。149円台に入ると買いも観測され150円を下放れる動きも見られていないが、上値も重い。
午後に1月分のFOMC議事録が公表。大半が早過ぎる利下げのリスクを懸念していることが明らかとなった。一部からは、インフレの進展が失速のリスクも指摘されていた。ただ、先週の予想を上回るインフレ指標で、市場での早期利下げ期待はすでに大きく後退しており、その雰囲気を再確認する内容ではあった。
発表後に為替市場は上下動したものの、大きな動きには至っていない。
ユーロドルは1.08ドル台前半に上昇。1.08ドルちょうど付近に100日線と21日線が来ており、その水準で次の展開待ちとなっている模様。一部からは、ユーロドルは短期的に狭いレンジでの推移が予想されるとの声も出ている。オプション市場では1週間物のインプライド・ボラティリティが5.25%となっており、これは、急速に上昇する可能性は小さいと投資家が考えていることを意味している。
ただ、データが堅調であれば上に向かう可能性もある。明日は2月調査分のPMI速報値が発表され、予想を上回った場合はユーロの支援材料となる可能性があると述べている。また、ユーロ圏消費者物価指数の確報値も発表される予定。
ポンドドルは1.26ドル台前半でのレンジ取引。21日線と200日線の間での推移が続いており、200日線の上での底堅さは堅持しているものの、上値追いの動きは見られず、次の展開を待っている状況。
前日はベイリー英中銀総裁が議会「利下げを支持する前にインフレが目標の2%まで低下する必要はない」と述べ、市場は利下げ期待を若干高めている。また、本日はハト派で知られるディングラ英中銀委員の発言も伝わり、「利下げを先延ばしにすることは生活水準を犠牲にすることになり、英経済のハードランディングの引き金になりかねない」と警告していた。インフレはすでに確固とした下降基調にあり、金融緩和を始めるべきだと改めて主張している。
先日発表の10-12月の英GDPがマイナス成長となり、英経済はテクニカル的なリセッション(景気後退)入りとなる中で、英中銀からは、景気に配慮した姿勢も垣間見せ始めている模様。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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