ドル円は148円を挟んで上下動 ただ、ドル高は一服=NY為替概況
ドル円は148円を挟んで上下動 ただ、ドル高は一服=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間に入って148円を挟んで上下動した。特に理由は見当たらないが、米国債利回りが一時下げたことで、ドル円も売りが強まる場面が見られ、一時147.65円付近まで下落。ただ、下値では押し目買いも入る模様で148円台に戻している。
きょうもドル高が一服していたものの、ドル円は緩やかな買い戻しが見られている。引き続きクロス円の上昇がドル円の下値をサポートしている模様。
FRBの3月利下げ開始への期待は薄れ、為替市場も修正を迫られているが、逆にドル高が一服している。ドルは年初からすでに上昇していたことで、材料出尽くし感が出ているのかもしれない。
ただ一部のストラテジストは、今年のFRBの利下げ幅の見通しを1.00%ポイントで変えていないほか、力強い成長にもかかわらず、インフレが予想を上回るスピードで低下する、いわゆるゴルディロックスの可能性もあり、その場合は1.50%ポイント程度の利下げが可能になるという。3月利下げ開始への期待は薄れたが、緩和サイクルの開始が大幅に遅れることはないと述べている。
FOMC委員は次の行動は利下げで一致しているようだが、急がない姿勢を示している。利下げの前にインフレの落ち着きを示すさらなる証拠が必要だと述べている。
そのような中で、ドル円は短期的にレンジ取引になるのではとの見方も出ている。150円手前ではロングの手仕舞いが出やすい一方、146円台では新規ロングの再構築が出やすい状況だという。テクニカル的にも、現在は方向感がないようだ。
ユーロドルは下げ渋る動きが見られ、1.07ドル台後半に戻している。ただ、積極的に戻りを試す展開までは見られず、本日1.0785ドル付近に来ている100日線に上値を拒まれている。
本日は12月のドイツ鉱工業生産が発表になっていたが、予想以上の減少を示していた。弱い鉱工業生産は景気低迷を助長し、ドイツ経済のマイナス成長の大きな理由となる。12月は前月比1.6%減少したが、先月発表された第4四半期のドイツGDP速報値は0.3%のマイナス成長となっていた。
エコノミストはこの先も良い兆候はないと指摘。12月の受注は大口を除くと2.2%減少しており、新年最初の数カ月は生産が減少し続ける可能性を示唆しているという。クリスマス休暇が12月の落ち込みに一役買い、1月に若干の反動増をもたらす可能性もあるが、それでも生産の減少傾向は変わらないだろうと指摘している。
ポンドドルも緩やかな買い戻しが出ていた。本日の200日線は1.2565ドル付近に来ているが、週初はその水準を下回り、下げトレンドに入るかとも警戒されたが、ひとまずサポートされている格好。
この日の英住宅価格のデータもポンドを下支えしている。英ハリファックスが発表した1月の英住宅価格は大幅な上昇を示し、英中銀が現行の高金利を従来予想よりも長く維持する可能性が高まった。1月のハリファックス住宅価格指数は前月比1.3%の大幅な上昇となり、前年比でも2.5%の上昇と、伸び率は1年ぶりの大きさだった。
本日はブリーデン英中銀副総裁が講演を行っていたが、英経済の力強さに自信を深めているが、利下げに踏み切る前にインフレが後退している証拠が必要との考えを示していた。ただ、英中銀は転換期を迎えている可能性が高く、インフレ粘着性への懸念は薄れており、追加利上げの必要性は後退しているとも述べていた。その代わりに英中銀の委員は、金利をどの程度の期間、現行水準に留める必要があるかに視点を移しているという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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