ドル円は144円台後半まで一時上昇 円安がドル円を押し上げ=NY為替概況
ドル円は144円台後半まで一時上昇 円安がドル円を押し上げ=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は上値追いが続き、144円台後半まで一時上昇。前日はドル買いがドル円を押し上げ、200日線を上抜く動きを見せたが、本日は全体的にドルは売り優勢で、円安がドル円を押し上げたようだ。また、NY時間に入って発表になった米雇用指標が底堅い労働市場を示唆したことから、米国債利回り上昇とドル買いも加わり、さらにドル円を押し上げている。
本邦勢が正月休みから復帰しているが、能登半島地震の影響から日銀のマイナス金利解除の観測が後退しているようだ。市場の一部からは早ければ今月にも解除との観測も出ていたが、4月以降が有力視されている。4月以降であれば春闘の数字も確認できる。
そもそも、マイナス金利を継続する必要はないが、早急に解除しなければならない緊急性もない。タイミングを見計らっているだけの状態であれば、被災地への支援という意味でも1月は見送られてもおかしくはない。
きょうの上げで200日線と21日線を完全に上放れする展開が見られており、テクニカル的にもリバウンド相場の兆候が示現している。明日の米雇用統計を受けて再び150円を目指す展開になるか注目されそうだ。目先は100日線が147円台半ばに来ている。
きょうのユーロドルは下げが一服し、1.0970ドル付近まで買い戻される場面も見られた。しかし、本日1.0945ドル付近に来ている21日線を超えると1.10ドルまでの間は上値が重くなる模様。
短期金融市場では現在、3月の利下げ開始をFRBは70%程度、ECBは50%程度で見ているが、一部からは、冴えないユーロ圏の成長に対応せざるを得ないECBがFRBに先駆けて利下げに踏み切る可能性が高いとの見方が出ている。ECBは昨年まで前例のない10回連続の利上げを実施したが、それがユーロ圏の経済成長を鈍化させ、インフレも低下させている。 また、センチメント指標も依然として低下傾向にあり、景気の動向が早期利下げを正当化しているという。
ポンドドルはNY時間に入って戻り売りが優勢となり、1.26ドル台に再び下落。ロンドン時間には1.27ドル台まで上昇し、21日線を上放れる展開も見せていたが、NY時間に入って21日線付近まで戻す展開。
本日は11月の消費者信用残高と住宅ローン承認件数が公表されていたが、いずれも予想を上回る内容となり、マネーサプライの減少ペースは緩やかになった。エコノミストからは、これはインフレ見通しの急速な改善を反映した動きだとし、英中銀に緩和開始の十分な余地を与えると指摘している。5月の利下げ開始を見込んでいるようだ。
スナク英首相は秋の総選挙実施を示唆し、野党から高まっている5月実施の声をけん制した。ただ、春の総選挙実施を排除することは拒んでいる。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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