ドル円は上下動 NY連銀総裁の発言でドル買い戻しも=NY為替概況
ドル円は上下動 NY連銀総裁の発言でドル買い戻しも=NY為替概況
きょうのドル円はNY時間に入って上下動した。141円台でNY時間に入ってきたものの、ウィリアムズNY連銀総裁の発言でドル買いが強まり、ドル円は142.40円近辺まで一気に上昇した。総裁は「現在、利下げについて全く協議していない。3月利下げについて考えるのは時期尚早」などと述べ、FOMC後の市場のムードをけん制してきたようだ。
ただ、ドル円は上値での戻り売り圧力も形成されているようで、200日線が控える142.50円付近を試す前に141円台に失速している。200日線は上値レジスタンスとして機能し始めている模様。終盤になって142円台に再び戻したものの、200日線の水準には慎重なようだ。ドル円は予想外のハト派に転換したFOMC後の下落で、完全に下向きのトレンドが形成されている。下値では買い戻しも入り142円台に戻すものの、直ぐに戻り待ちの売りに上値を止められる状況。
今週はFRB、ECB、英中銀と主要中銀の政策委員会を通過し、残るは来週の日銀だけとなる。市場では政策変更なしが有力視されているが、植田総裁からマイナス金利解除に向けた何らかのヒントが出るのではとの見方も少なくない。FOMCを受けてドル円は下向きのトレンドが形成されている。その分、植田総裁の発言に敏感に反応する地合いも形成されているようだ。
ユーロドルは一時1.08ドル台に下落。前日はECBがFRBとは対照的にタカ派姿勢を堅持したことでユーロドルは買いが強まり、1.10ドル台を回復していた。ただ、1.10ドル台での上値抵抗も強い中で、この日発表の12月調査のユーロ圏PMIが予想を下回り、景気の先行き不透明感を示唆したことで戻り売りが強まっている。本日の21日線が1.0880ドル付近に来ていたが、目先は21日線の水準がサポートされるか注目される。
ECBは前日の理事会で利下げ観測を完全否定していたが、本日のPMIは景気後退の可能性を示唆する内容との受け止めが多い。景気後退は大半のエコノミストだけでなく、ECBにとってもサプライズであろう。しかし、基調的な物価上昇圧力は依然として強いことから、ECBは夏までに利下げに踏み切る可能性は低いとの見方も多いようだ。
ポンドドルは1.26ドル台まで下げ幅を拡大。ただ、この日発表の英PMIは製造業は予想を下回っていたものの、サービス業は力強い推移が続いていた。前日の英中銀金融政策委員会(MPC)は利下げ観測を否定し、一部の委員は利上げを主張するなどタカ派なMPCとなった。きょうのサービス業PMIの数字はそれを正当化する内容ではある。
*英製造業PMI(速報値)(12月)18:30
結果 46.4
予想 47.4 前回 47.2
*英サービス業PMI(速報値)(12月)18:30
結果 52.7
予想 50.9 前回 50.9
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。