欧州通貨が軟調、英欧経済統計が弱含む 米FOMCを控えてドル相場底堅い=ロンドン為替概況
欧州通貨が軟調、英欧経済統計が弱含む 米FOMCを控えてドル相場底堅い=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ユーロやポンドなど欧州通貨が軟調。ロンドン朝方に発表された10月の英月次GDPが前月比-0.3%と予想以上の低下となった。ポンド売りの反応が広がり、ユーロも連れ安となった。加えて、10月ユーロ圏鉱工業生産も予想以上のマイナスとなった。ポンドドルは1.25台後半から1.2510付近へ、ユーロドルは1.08手前で上値を抑えられると1.0773近辺まで下落している。クロス円も上値が重く、ユーロ円は157円台半ばまで買われたあと、157円付近に反落。ポンド円は一時183.15近辺に高値を伸ばしたあとは、182.30付近に安値を広げている。ユーロ対ポンドではポンド売りが優勢。欧州株は総じて小高く推移しており、弱い経済指標が中銀の早期利下げ開始期待につながっているようだ。ドル円相場は146円目前まで買われたあと、ロンドン時間に入ると145.60台へと押し戻されている。岸田首相は人事交代会見で、金融政策にも触れており、日銀には政府の取り組みも念頭に適切な判断期待したい、と述べた。全般的には米FOMCを控えていることもあり、前日レンジから離れずの取引となっている。
ドル円は145円台後半での取引。東京午前の145.18近辺を安値にその後は買いが優勢となっている。ロンドン朝方には145.99近辺と大台目前まで高値を伸ばした。しかし、ロンドン時間に入るとユーロ円やポンド円などの下げとともに145.60台まで押し戻されている。岸田首相が、、日銀には政府の取り組みも念頭に適切な判断期待したい、と発言したが特段の反応はみられなかった。
ユーロドルは1.07台後半での取引。東京午前の1.0800近辺を高値に、その後は軟調に推移している。ロンドン時間に入るとさらに売られて、安値を1.0770台へと広げている。ただ、米債利回りは小幅に低下しており、ドル高圧力は調整主導のようだ。ユーロ圏鉱工業生産が弱含んだことがユーロ売りを誘った面も指摘される。ユーロ円は上に往って来い。ドル円の上昇局面で157.48近辺まで買われたが、その後はポンド円とともに売られて157円付近に押し戻されている。対ポンドではユーロ買いが優勢。
ポンドドルは1.25台前半での取引。東京朝方の1.2571近辺を高値に、ロンドン時間には1.2510付近まで安値を広げている。ロンドン朝方に発表された10月英月次GDPが予想以上に低下したことがポンド売りを誘った。ポンド円は183円台後半での揉み合いから一時183.15近辺まで買われたが、その後は売りに押されて182.25近辺まで下落した。ユーロポンドは0.8590付近から0.8615近辺まで買われた。昨日の英賃金の伸び鈍化とともに連日の弱い英指標を受けて、ポンド売りが優勢になっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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