ドル円が149円台前半に下落、米債利回り低下や市場に英欧の早期利下げ観測広がり=ロンドン為替概況
ドル円が149円台前半に下落、米債利回り低下や市場に英欧の早期利下げ観測広がり=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル円が149円台前半に下落している。ロンドン朝方には英小売売上高が予想外の弱い数字となりポンドが下落。また、ユーロも売りが先行。ビルロワデガロー仏中銀総裁が、インフレ鈍化を受けて利上げ停止が正当化されると発言。短期金融市場ではさらに来年の早期利下げ開始観測、1%ポイント利下げなどを織り込んでいる。しかし、米債利回りが小幅に上昇したあと、低下の動きに転じると全般的にドル売り圧力が広がった。ポンドドルは1.23台後半に下げたあと1.24台前半へ、ユーロドルは1.08台前半に下落したあと1.08台後半へと振幅。値動きが目立ったのがドル円相場だ。150.50付近での揉み合いを下放れると、150円台割れから149円台後半へと下落。さらに149.20付近へと下押しされている。今月6日以来のドル安・円高水準となっている。ユーロ円は163円台半ばから162円台前半へ、ポンド円は187円付近から185円台前半まで下落した。円相場が全面高となっている。今週は米消費者物価指数の伸び鈍化がドル売りの決定打となっていた。米国とともに英国や欧州でも利上げ停止観測が広がるなかで、次第に早期利下げを織り込む動きに。日米や日欧などの金利差を背景にこれまで保持してきた円売りポジションだが、きょうは週末調整とともに巻き返される動きへとつながったもよう。
ドル円は149円台前半での取引。東京市場では150.50付近での揉み合いが続いた。ロンドン時間に入ると、にわかに下方向へと動意づいている。米10年債利回りが4.46%付近へ小幅に上昇したあと、反転して4.38%付近へと低下したことに反応。150円台割れから149.20付近へと下げ足を速めた。英欧に利上げ打ち止め観測が広がったことに加えて、週末に向けたポジション調整が入ったもよう。
ユーロドルは1.08台後半での取引。売りが先行して1.0850付近から1.0825近辺まで下落。その後は米債利回り低下とともに買戻しが広がり、1.0870台へと上昇している。ユーロ円は逆に売りが強まっている。ドル円の下げとともに売られて163.50付近から162.20割れ水準まで下落している。対ポンドでは買いが先行も、その後は売り戻されており方向性に欠けている。10月ユーロ圏消費者物価指数確報値は前年比+2.9%と速報値から変わらずだった。2021年8月以来の低水準となっている。
ポンドドルは1.24台前半での取引。10月の英小売売上高が前月比マイナスと予想外の低下となったことに売りの反応が広がった。一時1.2374近辺まで下落。しかし、その後は米債利回り低下とともに買い戻されて1.2440付近へと高値を伸ばしている。ポンド円は売りに押され続けている。187円ちょうど付近から185.30台まで下落。その後は185円台後半に下げ渋るも反発力は限定的。ユーロポンドは0.8740台から一時0.8760台に買われたが、その後は0.8740割れ水準まで反落。上に往って来いとなった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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