ドル円は150円台に下落 四半期定例入札とパウエル会見で売り強まる=NY為替概況
ドル円は150円台に下落 四半期定例入札とパウエル会見で売り強まる=NY為替概況
きょうのNY為替市場でドル円は戻り売りが強まり、150円台に下落している。米国債利回りが急低下しており、ドル円の戻り売りを誘っていた。米財務省がこの日発表した来週の四半期定例入札の規模が予想ほど拡大していなかったことや、ISM製造業景気指数が予想を下回ったことが利回りの下げを加速させた。
午後にFOMCの結果が発表され、政策金利は予想通りに据え置かれた。声明は若干の変更があったものの概ね前回と変わらない。注目のパウエル議長の会見だが、「これまでの進展を考慮し、FOMCは慎重に進めるべき」と慎重姿勢を示す一方で、「潜在成長を上回るGDPで利上げが正当化される可能性。利上げ停止後の再利上げは困難との考えを否定」とも言及し、追加利上げの可能性は温存している。なお、利下げについては考えも話もしていないと述べていた。
予想通りに「タカ派な据え置き」といった雰囲気だが、短期金融市場での追加利上げの期待は若干後退している。市場からは、最近の利回り上昇を考慮すると12月に利上げを実施する可能性は低いとの見方も広まっている模様。
ユーロドルは一時1.05ドル台前半まで下落し、1.05ドル割れをうかがう展開も見られていたものの、FOMCを受けて下げ渋っている。しかし、21日線を下放れる動きも見られ、上値の重い展開がなお続いている。
本日はユーロ自体の特段の材料も無かったが、このところ発表のデータが弱い内容が多く、市場にはECBの早期利下げ期待が根強くあるようだ。
ポンドドルは1.21ドル台で上下動。本日の21日線は1.2180ドル付近に来ているが、その水準の下での推移は継続している。
明日は英中銀の金融政策委員会(MPC)が予定されている。市場では据え置きを確実視している状況だが、直近のデータは利上げ再開を正当化しないとの指摘も出ている。英国の直近データは現在のスタンスを変更するに値するほど変化はしておらず、英中銀が利上げを再開するためのハードルは高いという。
サービスインフレは英中銀の予測を下回っており、賃金の伸びを示す様々なデータと伴に大半のデータは弱含みで推移し続けている。また、英中銀委員の最近のコミュニケーションは当面は様子見を選好していることを示唆している。従って、英中銀は明日、追加利上げの可能性は残すものの、今後の政策決定はバランスよく行われるとの声明に同調すると予想されるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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