米長期債利回りが5%上回る、ドル買い圧力も各通貨まちまち=ロンドン為替概況
米長期債利回りが5%上回る、ドル買い圧力も各通貨まちまち=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル買いが優勢。米10年債利回りが5%の節目水準をしっかりと上回る動きとなったことが背景。東京朝方の4.94%付近からロンドン時間には5.01%台まで上伸し、2007年以来の高水準となった。米金融当局の高金利長期化観測や、地政学リスクを抱えて米財政赤字が一段と拡大することが懸念されるなかで米国債増発の思惑が広がったことなどが利回り上昇につながっているようだ。ただ、ドル買いの動きが通貨ごとにまちまち。ドル円は東京早朝に105.11近辺まで買われたあとは、上昇一服。ロンドン序盤にはややドル安に振れて149.80台へと軟化。その後は150円手前水準へ再び上昇している。ユーロドルは東京時間に1.0570付近まで低下したあと、ロンドン時間には1.06台に乗せる場面があった。その後は1.06を挟んで売買が交錯している。ポンドドルはロンドン朝方に1.2180台へと買われたが、その後は1.2150割れまで反落。上に往って来いの動き。豪ドル/ドルは欧州株や米株先物が軟調、銅先物の下落などを受けて一時0.63台割れと軟調な動きを示した。イスラエル情勢については大きな変化はみられていないが、イスラム聖戦の指導者らとイラン外相が電話会談を行うなど、紛争の長期化が懸念されている。
ドル円は150円手前水準での取引。週明けオセアニア市場で150.11近辺まで買われたあとは上値を抑えられた。東京市場では149.74近辺を安値に再び150円手前水準へと上昇。ロンドン序盤に149.80台まで再び下押しされたが、米債利回りの上昇とともに150円手前水準へと買われている。
ユーロドルは1.06付近での取引。東京市場では1.0590台から1.0570付近へとじり安の動きだった。ロンドン時間に入ると買いが強まり、1.0615近辺まで一時上昇。しかし、米10年債利回りが節目の5%を一時上回る動きに売り圧力が交錯している。対ポンドではユーロ買いが優勢。ユーロ円は158.50付近から一時159.16近辺まで上伸。その後売買が交錯も159円付近と底堅い。
ポンドドルは1.21台後半での取引。東京市場では1.21台半ばでやや上値重く推移した。ロンドン序盤には一時1.2185近辺まで買われたが、その後は1.2150割れまで反落と、上に往って来い。ユーロポンドが0.87ちょうど付近から0.8720台へと上昇しており、対ユーロでのポンド売りが観測された。ポンド円は182.10付近から182.60付近での振幅。欧州株や米株先物が軟調に推移しているが、英独債利回りは上昇しており、金利差による円安の動きも交錯した。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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