FOMC後のドル買いが一服し、ドル円も利益確定売り=NY為替概況
FOMC後のドル買いが一服し、ドル円も利益確定売り=NY為替概況
きょうのドル円はNY時間に入って戻り売りに押され、147.30円付近まで値を落とす場面が見られた。前日のFOMCを受けてのドル買いが一服しており、ドル円も利益確定売りが出ていた模様。本日の21日線が147円ちょうど付近に来ており、目先の下値メドとして意識される。ただ、下押す気配まではいまのところ出ていない。
前日のFOMCを受けて市場にはタカ派ムードが広がっている。年内にあと1回の追加利上げの可能性が示唆されたほか、来年は利下げを見込んでいるものの、6月よりは小幅な利下げに留まるとの予測に変更している。FRBは「より高く・より長く」の金利水準に言及しているが、その見方を踏襲した内容ではある。ある程度、想定範囲内ではあったものの、改めてFRBがインフレに警戒している様子がうかがえた。
原油相場が本日も強含みで推移する中で、エネルギー高がしばらく続きそうな気配も出ている。コアインフレへの波及も警戒される中で、FRBも安心できないようだ。
また、明日は日銀決定会合が予定されており、据え置きを確実視しているものの、前回にサプライズの実質利上げを実施した植田総裁の会見に注目が集まっている。先日の植田総裁のインタビュー報道で市場は円高に敏感に反応していたが、報道の内容と市場の認識にズレが生じたとも見られており、その真意も確かめたいところではある。
ユーロドルはNY時間にかけて買い戻されている。下げトレンドに変化はなく、過熱感もまだ出ていないことから、下値模索が続くとの見方は根強いようだ。
明日はユーロ圏の9月調査のPMI速報値が公表される。ユーロ圏経済は景気の先行き不透明が強まる中で、企業のセンチメントは軟調な雰囲気が続くと見込まれている。先月はサービス業も判断基準の50を下回っていたが、製造業とともに今回も景気後退の可能性を示唆する内容となりそうだ。
*ユーロ圏製造業PMI(速報値)(9月)17:00
予想 43.9 前回 43.5
*ユーロ圏非製造業PMI(速報値)(9月)17:00
予想 47.6 前回 47.9
ポンドドルは一時1.2240ドル近辺まで下落していたものの、NY時間にかけて買い戻され、一時1.23ドル付近まで戻す場面も見られた。
英中銀は本日の金融政策委員会(MPC)で金利を据え置いた。若干の驚きもあったが、前日の英消費者物価指数(CPI)が利上げを踏み留まらせた模様。ベイリー英中銀総裁もそのように言及している。ただし、委員の投票行動は5対4と僅差での決定。追加利上げの可能性が消えたわけはなく、短期金融市場でも来年の第1四半期までに1回の利上げを75%の確率で織り込んでいる状況。
ただ、本日の英中銀の判断を受けて、一部からは利下げの声が早速出始めており、英中銀は主要中銀の中で最初に利下げに踏み切る可能性が高いとの見方を示している。英国内の景気が著しく減速しており、以前は活況を呈していた労働市場も、現在は典型的な景気後退の前兆を示しているという。しかし、賃金の伸びは依然として堅調で、インフレの2次的影響を促進する可能性はあるとも言及している。
なお、ベイリー英中銀総裁は利下げの検討について、時期尚早と述べていた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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