ECB理事会控えてユーロが堅調、米国とのスタンスの差を意識か=ロンドン為替概況
ECB理事会控えてユーロが堅調、米国とのスタンスの差を意識か=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ユーロが堅調に推移している。今日の注目イベントECB理事会の結果発表を控えて、米欧の金融スタンスの差が意識されているもよう。昨日の米FOMC会合では予想通り25bpの利上げが発表された。パウエル議長会見では、インフレ対応の姿勢を繰り返したが、9月についてはデータ次第として明言をさけていた。市場では9月の据え置きを8割織り込んでおり、今回の利上げで打ち止め感が広がった。ドル売りが優勢となるとともに、ユーロドルはロンドン市場で1.11台乗せから1.1150付近まで上昇している。ECB理事会については今回は25bp利上げ観測と米国と同様だが、利上げ開始が遅かったこともあり、今後の追加利上げ継続の見方が有力となっている。この点についてはラガルドECB総裁会見がカギとなる。欧州株や米株先物が買われるなどリスク選好の動きがみられるなかで、ユーロ円は155円台前半から156.20付近へと上伸。ユーロは対ポンドでも買われている。ドル安や円安とともにユーロ高の面も垣間見られている。ポンドドルはユーロドルにつれ高となり一時1.2996近辺まで買われたあとは、1.2950台へと反落。ポンド円も181.90台まで買われた後は181.50割れへと一時反落。上値追いは限定的。ドル円は東京市場で下に往って来いとなったあと、140円挟みでの揉み合いからやや買われている。
ドル円は140円台前半での取引。東京市場では朝方に140.49近辺の高値をつけたあとは売りに押されて139.38近辺まで下落。その後は140.20台に反発と下に往って来いだった。ロンドン時間に入るとしばらくは140円付近での揉み合いが続いたが、足元では再び140.20台へと小高く推移している。欧州株や米株先物・時間外取引が堅調なことや、米10年債利回りが3.87%と前日終値水準に下げ渋ったことなどが下支えに。
ユーロドルは1.11台前半での取引。1.10台後半での揉み合いを上放れるとロンドン勢は1.1150近辺まで買い進んだ。足元ではECB理事会を前に買い一服も、高値からは離れずに推移している。ユーロ円は堅調。東京午前の安値154.89近辺からロンドン時間には156.20台へと一方通行で買われている。対ポンドでもユーロ買いが優勢。
ポンドドルは1.29台半ばでの取引。ロンドン序盤に高値を1.2996近辺まで伸ばしたあとは1.2950付近へと反落、上に往って来いとなっている。ポンド円は181円台前半から一時181.90台まで買われたあとは、181円台半ばから後半に落ち着いている。ユーロポンドが買われており、0.8560台から0.86ちょうど付近まで上昇している。対ユーロでのポンド売りが上値を抑える格好となっている。英経済諮問委員会は、今後数カ月で金利を過度に引き上げた場合、英国を景気後退に陥らせる可能性、と警戒感を示した。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。