ドル円は141円台半ば イベント控えドル買い続く=NY為替概況
ドル円は141円台半ば イベント控えドル買い続く=NY為替概況
きょうのドル円は戻り売りが優勢となり、一時140円台に下落する場面も見られた。ただ、全体的にはドル買いが続いており、NY時間に入ると141円台半ばに戻す展開。先週末は日銀の報道に円安が進み、ドル円は141円台後半まで買い戻されたが、今週の重要イベントを前に上げが一服している。
日銀が今週の展望レポートでインフレ見通しを大幅に上方修正するとの報道が伝わったことも、円売りを一服させているようだ。日銀は今週の決定会合で議論する消費者物価(生鮮食品だけを除くコア)の見通しについて、2023年度を従来の1.8%から2.5%程度へ大幅に上方修正する公算が大きいという。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。ただ、海外経済や来年の賃上げの動向など先行きの不確実性が大きい状況に変化はなく、24、25年度については現在の2.0%、1.6%から小幅の修正に留まる見通しだとしている。そのため、持続的・安定的な2%目標の実現を展望できる見通しにはならないという。
また、今週は26日にFOMCの結果が公表される。0.25%ポイントの利上げが確実視されており、市場の注目は次回9月以降に集まっている。それに対して何らかのヒントが出るか注目しているが、9月FOMCまでにFRBは2カ月分のデータを確認できることから、どちらにもオープンにしておくのではとも見られているようだ。
ユーロドルは売りが続き、1.10ドル台半ばまで下落。本日の21日線が1.1030ドル近辺に来ており、その水準が目先の下値メドとして意識される。きょうは7月のユーロ圏PMIが弱い数字だったことがユーロ売りを加速させていた。新規受注や生産見通しは今後数カ月間のさらなる落ち込みを示唆しており、景気の先行き警戒感を強める内容となった。
今回の結果はECBの政策決定にも影響しそうだとの見方も少なくない。今週の理事会では0.25%ポイントの利上げが確実視されているものの、市場の中では9月について、未知数の部分が大きくなったとの声も少なくない。9月の決定は7月と8月分のインフレ、そしてセンチメントに関する指標に左右されると見ているようだ。
FRBと同様にECBも今回は9月について、オープンにしておくものと見られている。
きょうもポンドドルは下落が続き、一時1.27ドル台まで下落。本日の下げで21日線を下回っており、明日以降の動きが警戒される。この日の7月調査の英PMI速報値が予想を下回ったことでポンドは下げを加速させ、ポンドドルは2週間ぶりの安値となった。製造業は引き続き弱い動きを見せているほか、サービス業も予想を下回った。これにより総合指数は判断基準の50はかろうじて上回ってはいたものの、1月以来の水準に低下している。
英景気への黄色信号を示唆する内容でもあり、きょうの発表を受けて、来週の英中銀金融政策委員会(MPC)での大幅利上げへの期待が更に低下している。短期金融市場では0.25%ポイントの利上げは確実視されているものの、0.50%ポイントについては確率を40%程度まで落としてる。1週間前には75%程度まで高まっていた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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