円買い優勢、米債利回り低下とともに 明日の米消費者物価指数の鈍化観測で=ロンドン為替概況
円買い優勢、米債利回り低下とともに 明日の米消費者物価指数の鈍化観測で=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、円買いが優勢。明日の米消費者物価指数でインフレの伸び鈍化が想定されており、日米金利差拡大観測がやや後退しているもよう。海外勢を中心に日銀のYCC調整観測が根強いことも円買いを誘ったようだ。米10年債利回りが4.00%付近から3.94%台まで低下するなかで、ドル円は淡々と軟化。安値を140.16近辺まで広げた。クロス円でも円高が進行。ユーロ円は155円台割れから154.30付近へ、豪ドル円は94円台前半から93.56近辺へ安値を広げた。その中ではポンドはやや底堅い動き。朝方に発表された英雇用統計で平均時給が前年比+6.9%と前回の+6.5%から伸びが加速したことが背景。ポンド円は181円台後半に一時上昇。その後は円高圧力とともに181円台を割り込む場面があったが、足元では181円台前半から半ばで推移している。ユーロ相場は軟調な動き。独ZEW景況感が予想以上に落ち込んだことが背景。ユーロドルは1.1027近辺を高値に1.0997近辺まで反落した。対するポンドドルは1.28台後半から一時1.2935近辺まで買われている。ドル指数は低下、5月11日以来の低水準となった。ドル円の下落、ポンドドルの上昇がドル売りを主導した。
ドル円は140円台前半での取引。前日からの下落の流れが継続している。東京朝方につけた141.46近辺を高値に141円台割れと軟調な値動き。ロンドン朝方に141円付近の重さが確認されると米債利回りの低下とともに一時140.16近辺まで安値を広げた。その後も140円台前半での取引にとどまっている。明日の米消費者物価指数の伸び鈍化が想定されるなかで、米債利回りが低下しており、ドル円の上値を重くしていた。
ユーロドルは1.10付近での取引。前日NY市場からの上昇の流れを受けてロンドン朝方には高値を1.1027近辺まで伸ばした。その後は独ZEW景況感指数の悪化を受けて一時1.0997近辺まで反落。対ポンドでの売り圧力も加わり上値重く推移している。ユーロ円は東京朝方につけた155.67近辺を高値に軟調に推移。ロンドン時間に入ってからも155円台割れから154.30近辺に安値を広げている。
ポンドドルは1.29台前半での取引。前日NY市場からの上昇の流れが継続している。ロンドン早朝の英雇用統計で平均時給の伸びが加速したことが一段とポンド買いを強めた。高値を1.2935近辺まで伸ばし、その後も1.29台に高止まりしている。ポンド円は振幅。英指標を受けたポンド買いと全般的な円買い圧力が交錯している。一時181.80付近に買われたあとは108.80付近まで下押しされた。その後は181円台前半から半ばで揉み合っている。ユーロポンドは軟調。0.8550付近から0.8510台へと軟化している。英独指標の強弱感が鮮明だったことに反応していた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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