【これからの見通し】米雇用統計の結果待ち、前日ADP雇用増は予想から倍増もきょうはどうか
【これからの見通し】米雇用統計の結果待ち、前日ADP雇用増は予想から倍増もきょうはどうか
きょうは米雇用統計が発表される。労働市場の強さを雇用者数の増減、失業率の上下動、賃金動向、労働参加率などから判定することとなる。注目度の高い非農業部門雇用者数については、市場予想は23万人増となっており、前回の33.9万人増からは増加ペースが鈍化する見込み。失業率については3.6%と前回の3.7%からは小幅に低下する見通し。労働参加率の予想は前回並みの62.6%、平均時給は前月比+0.3%と前回並みの伸び、前年比は+4.2%と前回の+4.3%からやや鈍化する見込みとなっている。
市場予想と結果との乖離で初動反応が決定することが多い。最も即時に反応をみせやすいのが非農業部門雇用者数だ。雇用者数については昨日発表されたADP雇用者数が49.7万人増と事前予想の倍以上の伸びとなったことでドル買いに反応したことは記憶に新しい。きょうの非農業部門雇用者数で昨日のADPが意識されると、想定外の増加ペース鈍化となった場合にネガティブなインパクトが大きくなりそうだ。
今週の相場を見渡すと、ドル指数自体は水準をじりじりと上げている。10日線がサポートしている。ただ、ドル高の勢いは次第に弱まってきており、10日線を下抜けを試しそうな気配もある。インフレ退治のための米金融当局の利上げが長期化するとの見方がドル高をドライブする一方で、中国景気や欧州景気の鈍化警戒がリスク回避の円買いにつながり、ドル円の下げがドル安圧力につながる面も指摘される。週末の相場は、米雇用統計をへて、どちらの材料を中心に動くのかを見極めたいところだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、メキシコ消費者物価指数(CPI)(6月)、米雇用統計(6月)、カナダ雇用統計(6月)、カナダIvey購買担当者景況感指数(6月)など。上記のように米雇用統計を軸に相場が展開することになりそうだ。
発言イベント関連では、ビルロワドガロー仏中銀総裁、デギンドスECB副総裁、ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁、ラガルドECB総裁などECB金融当局者の発言機会が多い。マン英中銀委員の討論会参加、グールズビー・シカゴ連銀総裁のテレビ出演なども予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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