ドル円一時144.25レベルに高値更新も、ECBフォーラム控えて買いは続かず=ロンドン為替概況
ドル円一時144.25レベルに高値更新も、ECBフォーラム控えて買いは続かず=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル買いが優勢。NZドル、豪ドル、カナダドル、ポンドなどに対するドル買いが鮮明となっている。ただ、米債利回りは低下、欧州株は堅調に推移と目立ったドル買い材料はみられていない。このあとのNY時間にはECBフォーラムの目玉イベントとして米FRB議長、日銀総裁、ECB総裁、英中銀総裁による討論会が開催される。注目イベントを控えたポジション調整の色合いが濃かったようだ。ドル円は一時144.25近辺まで買われ、年初来高値を更新したが、その後は143.80台まで反落するなど144円を挟んだ上下動となっている。やや円買い介入が意識された面も。ユーロドルは序盤に1.0936近辺まで下押しされたあとは1.0960付近に反発と方向性に欠けている。ポンドドルは1.27台前半から1.2680台まで下落、上値が重い。豪ドル/ドルは同国インフレが予想以上に鈍化したことで東京時間に0.66台後半から0.6620付近まで下落。その後は0.66台前半での揉み合いが続いている。NZドル/ドルは豪ドル以上に軟調で、0.61台を割り込んでいる。一連のECB高官らの発言が報じられている。デギンドス副総裁、レーン・チーフエコノミスト、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁など多くのメンバーはタカ派姿勢を鮮明している。ただ、9月利上げについては不透明との論調が多い。センテノ・ポルトガル中銀総裁はすでにターミナルレートに近づいていると過度の引き締めに警鐘を鳴らした。
ドル円は144円付近での取引。前日の海外市場では一時144円台に上昇した。東京朝方には143.73近辺まで下押しされる場面があった。その後は底堅い値動きが続いている。ロンドン序盤には再び買われて、144.25近辺に高値を更新。年初来高値を塗り替えた。しかし、144円台では売り圧力がみられ143.80台へ。ただ、東京安値付近では買いも控えており、144円台を回復している。
ユーロドルは1.09台半ばでの取引。東京市場からやや上値重く推移。ロンドン序盤には1.0936近辺まで安値を広げた。その後は下げ一服となり1.0960付近まで下げ渋った。ユーロ円は157.50付近から157.99近辺までのレンジ取引。ユーロは対ポンドで堅調に推移。一連のECB当局者がタカ派姿勢を鮮明にしており、ユーロ相場は底堅く推移している。ただ、今日発表されたドイツGfK消費者信頼感やイタリア消費者物価指数はいずれも予想を下回る結果だった。
ポンドドルは1.26台後半での取引。東京午後には1.2730付近で揉み合ったが、ロンドン時間に入ると売り圧力に押されている。足元では1.27台割れから1.2680台へと安値を広げている。ポンド円も軟調。ロンドン朝方に183.50台まで買われた後は売りに押されている。183円台割れから182.70台へと安値を広げている。ユーロポンドは0.86台割れ水準から0.8630台へと上昇。ユーロ買い・ポンド売りのフローが入っている。ポンド自体の目立った材料はみられていないが、このあとのECBフォーラムでの英米日欧中銀総裁らの討論会を控えて、ポジション調整が入っているもよう。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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