ドル円一時143.94近辺まで上昇、日欧金利差拡大観測に乗って=ロンドン為替概況
ドル円一時143.94近辺まで上昇、日欧金利差拡大観測に乗って=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ユーロ買いが優勢となるなかで、ドル円が144円に迫った。ロンドン朝方はアジア株の上昇を受けたリスク選好の動きで始まり、欧州株も買いが先行した。しかし、複数のECB高官からタカ派姿勢が示されると欧州株は上げを消している。ラガルドECB総裁は、「7月利上げを表明、必要な限り利上げを続ける、あまりにも急激な政策転換への期待は防ぐ必要、金利がピークに達したとすぐに言うことできず」などと発言しており、市場にECBの利上げが長期化するとの印象を与えた。ドル円はユーロ円とともに買われて一時143.94レベルと年初来高値を更新した。しかし、144円台には届かず143円台後半で上げ一服。政府・日銀による為替介入への警戒感があるもよう。ユーロドルはECB後半のタカ派姿勢を受けて買われ、1.09台前半から1.0950台へと高値を伸ばしている。ユーロ円は157円台乗せから157.45近辺まで買われて、その後も高止まり。その他主要通貨はまちまち。ポンドは1.2758近辺まで買われたあとは、対ユーロでの売り圧力もあって1.27台前半に押し戻されている。ポンド円の上昇は緩やかだが、高値を183.12近辺まで広げている。豪ドルは対ドル0.87台割れ、対円96円付近などまで反落しており、ECB利上げの長期化が警戒感を広げているようだ。
ドル円は143円台後半での取引。東京市場ではやや上値が重く143.29近辺まで下押しされる場面があったが、その後は中国株などの上昇とともに143.50超えへと買われた。ロンドン時間に入ると一段と騰勢を強めて先週末高値を上抜くと、143.94近辺まで上昇。年初来高値を更新した。ただ、介入警戒感もあるもようで、一気に144円台に乗せることなく143.70付近に押し戻されている。
ユーロドルは1.09台半ばでの取引。1.09台前半から売買が交錯しながらも水準を上げている。ECBのラガルド総裁などからタカ派のメッセージが発せられたことを受けて1.0953近辺まで高値を伸ばした。ユーロ円も堅調。156円台後半から157.45近辺まで高値を伸ばしている。対ポンドでもユーロが買われており、ユーロ相場が全面高となっている。
ポンドドルは1.27台前半での取引。ロンドン朝方にかけて高値を1.2758近辺まで伸ばしたが、その後は上値が重くなっている。1.2710付近まで下押しされて、東京市場での上昇を消している。ポンド円はじり高の動き。東京市場で182円台前半から後半へと買われたあと、ロンドン時間には183.12近辺まで小幅に高値を更新。ユーロポンドはユーロ買いの動きが優勢で、0.8570付近から0.86台乗せへと上昇している。きょうはポンド独自の材料には欠けており、対ユーロを中心とした取引に終始している。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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