オランダ政府と農家の農業制度改革協議に暗雲、環境問題優先なら物価は高止まりも
ダッチ・ニュースの報道によると、オランダ最大の農業組合であるLTOは政府との農業制度改革についての協議から離脱した。ピート・アデマ農業相によると、政府と農家の協定は95%完成しているものの、LTOは最後の一歩を踏み出す勇気がなかったという。若手農業者団体NAJKもLTOに続いて協議から離脱した。
温暖化ガスの排出を巡り、米国に次ぐ世界第2位の農産物輸出国家であるオランダは揺れている。家畜が出すメタンガスなどの排出抑制のため政府は農場の閉鎖を予定しており、一時は農家が大規模なデモを繰り広げた。トラクターが道路を埋め尽くしたほか、政府施設に対して堆肥が撒き散らされるなど、農家の怒りは熾烈だった。現行の協議が決裂した場合、再びデモが始まる可能性がある。ただ、農家の閉鎖あるいは抗議活動再開でも、食料品価格を押し上げることに変わりはなさそうだ。
MINKABU PRESS
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執筆者 : MINKABU PRESS
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