ドル円は139円台後半まで上昇 需要イベント控え様子見 明日は米CPI=NY為替概況
ドル円は139円台後半まで上昇 需要イベント控え様子見 明日は米CPI=NY為替概況
きょうの為替市場、NY時間に入って米国債利回りが一時上昇に転じたことから、次第にドル買いが優勢となり、ドル円も139円台後半まで買い戻される場面が見られた。一時139円台前半に伸び悩んでいた。
アドビが公表したデータによると、オンラインショッピングでは裁量消費財の価格低下は顕著なものの、食品価格は依然として高水準で推移していることが明らかとなった。5月にオンラインで販売された消費財の価格は前年比2.3%下落したものの、食品やペット用品、パーソナルケアといった生活必需品は根強いインフレが見られ、食品価格は前年比で8.2%上昇している。昨年9月のピークである14.3%からは和らいでいるものの、なお高い水準が続いている状況。
全体的には今週のFOMCを控えて様子見気分が広まっており、結果待ちの雰囲気が強い。FOMCについて市場では、利上げ一時停止の可能性が高いと見られており、短期金融市場では75%程度の確率で据え置きが見込まれている。一方、今回は経済見通しやFOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)が発表され、それぞれを上方修正し、7月利上げの可能性を示唆してくると見ているようだ。
ただし、明日発表になる米消費者物価指数(CPI)が強い内容であれば、シナリオに変化が見られる可能性も留意される。これまでの経験則から、通常であれば、FRBはFOMC当日に決定に際してサプライズは起こさない。講演などを通じて事前に市場に織り込ませるが、もし、強い米CPIの発表があれば、今回は違う可能性も留意される状況。しかし、今回の米CPIは前回から鈍化が見込まれている。
米消費者物価指数(5月)13日21:30
予想 0.3% 前回 0.4%(前月比)
予想 4.2% 前回 4.9%(前年比)
予想 0.4% 前回 0.4%(コア・前月比)
予想 5.2% 前回 5.5%(コア・前年比)
きょうのユーロドルはNY時間にかけて1.07ドル台後半まで上昇したものの、NY時間に入るとドル買いが優勢となり、1.07ドル台半ばに伸び悩んだ。現在は21日線付近での推移となっており下げ一服感も出ているが、100日線が控える1.08ドル台前半の水準には慎重なようだ。
米大手銀のストラテジストからは、ECBは今週の理事会で利上げを行う可能性が高く、今後さらにもう1回の利上げを行うことを示唆するとの見方を示した。ECBは今週0.25%ポイントの利上げを行った後に、追加利上げが必要となる可能性が高いことを示唆する可能性がある。7月も0.25%ポイントの利上げを実施し、中銀預金金利は3.75%に達するとの見通しを維持しているという。
一方、7月以降はタイトな金融政策が資金調達環境に強く反映され、基調インフレが緩和し始める。総合インフレが大幅に低下する中で、賃金の伸びがも鈍化する可能性が高いとしている。また、金融引き締めにもかかわらず、経済活動は底堅い推移が予想され、来年の第4四半期まで利下げは想定していないとも付け加えている。
ポンドドルは戻り売りにおされ、一時1.25ドルを割り込んだ。目先は21日線が控える1.24ドル台半ばの水準が下値メドとして意識される。
市場からは、英中銀の利上げ観測が今後下方修正され、ポンドを圧迫するとの見方が出ている。明日は2-4月の英雇用統計が公表されるが、今後発表される賃金およびインフレデータが弱い内容であれば、市場の英中銀に対する利上げ観測が後退する可能性にさらされると指摘している。
弱い賃金および物価データがいつでも出現する可能性があり、短期金融市場が現在織り込んでいる来年1月時点での5.50%の政策金利の見通しは急激に下方修正される可能性があるという。その意味でも明日の英雇用統計はポンドにとって重要になるとしている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。