ドル安・円安が優勢に転じる、OECDが世界経済見通し上方改定=ロンドン為替概況
ドル安・円安が優勢に転じる、OECDが世界経済見通し上方改定=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル安・円安の動きが優勢。東京市場では日経平均の急落を受けて円高・ドル高とリスク回避の動きがみられたが、ロンドン市場では流れが反転している。きっかけとなったのがOECD世界経済見通し。今年の世界経済成長予測が上方修正されている。特に英国は従来のマイナス成長見通しからプラス成長へと引き上げられている。売りで始まった欧州株は下げ渋っており、英FT指数は上げに転じている。為替市場ではユーロドルが1.06台後半に下押しされていたが、反転して買われ1.07台を回復している。ユーロ円も148円台後半から149円台に乗せており、東京市場での下げを戻している。ポンドドルは一時1.24台割れも、その後は1.2450超えへと高値を更新。ポンド円は172円台後半に下押しされたあと、173円台半ば超えへと高値を伸ばしている。ユーロ対ポンドではユーロ買い優勢からポンド買い優勢に転じた。ドル円は下げ一服。東京市場からの下げでは139円台は維持されており、ロンドン時間には139円台半ばを試した。ただ、円売りとドル売りに挟まれて139円台前半を離れずの取引となっている。トルコリラが引き続き軟調。再び最安値を更新した。トルコ当局が為替介入姿勢を弱めるとの見方が広がっている。
ドル円は139円台前半での取引。東京市場では日経平均の急反落を受けて円買い圧力が広がった。ロンドン朝方にかけて安値を139.13近辺に広げた。その後は米債利回りの上昇をにらんで下げ渋り、139.50付近まで反発。その後は円安とドル安に挟まれて139円台前半で揉み合っている。
ユーロドルは1.07台前半での取引。ロンドン序盤にかけてはリスク回避的な売りに押されて安値を1.0668近辺に広げた。しかし、OECD世界経済見通しで今年の成長見通しが上方改定されたことなどで流れが反転、1.07台乗せへと上昇している。ユーロ円は148.64近辺に安値を広げたあとは上昇に転換、高値を149.41近辺に更新し、東京市場での下げを消した。対ポンドではECBの追加利上げ観測とともにユーロ買いが先行したが、その後は売りに押されている。
ポンドドルは1.24台半ばでの取引。朝方には1.2395近辺まで安値を広げたが、OECDが今年の英成長見通しを従来もマイナスからプラスに引き上げたことを受けて上昇に転じている。足元は高値を1.2460近辺に更新。ポンド円は172.67近辺に安値を広げたあと、上昇に転換し高値を173.65近辺に更新している。ユーロポンドは買いが先行して0.8610台に上昇後、下落に転じて安値を0.8590台へ広げた。足元では0.86ちょうど付近に落ち着いている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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