米債利回り上昇とともにドルが買われる、ドル円は138円台半ば=ロンドン為替概況
米債利回り上昇とともにドルが買われる、ドル円は138円台半ば=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル買いが優勢。前日のブラード総裁やカシュカリ総裁などのタカ派発言を受けて、市場での6月FOMC観測では一定の割合で利上げを織り込む動きが残っている。米債利回りの上昇とともに、今日はドル買いの動きが再燃している。一連の欧州や英国の5月PMI速報値が弱含んだことでユーロやポンドに売り圧力がかかったことがドル高につながる面もあった。また、欧州株や米株先物が調整に押され気味となっており、特に取引序盤にはドル円、クロス円が軟化するリスク回避の動きがみられた。ドル円は138.20台まで軟化したあと138.50台へと戻しており、円高とドル高が交錯。ユーロドルは1.08台割れから1.0770付近へ、ポンドドルは1.24台割れから1.2370台へと下落している。クロス円も軟調で、ユーロ円は東京市場で一時150円台をつけたあとは売りに押されており、ロンドン市場では149.20付近へと下落。ポンド円は172円台割れから171.30付近まで下げた。ポンドは取引序盤に対ユーロでの売りが入った。あすの英消費者物価指数発表を控えて、インフレの伸び鈍化が見込まれることが影響した面も。ただ、この日の議会証言ではベイリー英中銀総裁などが食品価格インフレを過小評価していたと述べていた。一方、インフレが低下する良い理由がある、と従来からの見解も示した。
ドル円は138円台半ばでの取引。東京午前に138.87近辺まで買われ、昨年11月末以来の高値水準となった。その後は上値が重くなり、ロンドン序盤には138.24近辺まで反落。その後は米債利回りの上昇とともに再び138.50台へと買われている。
ユーロドルは1.07台後半での取引。東京市場では1.0810付近での揉み合いが続いたが、ロンドン勢の参加とともに売りが優勢となった。ロンドン時間に入ると安値を1.0770近辺に更新している。ユーロ円は東京午前につけた150.06近辺を高値に、その後は売られ続けている。ロンドン市場では安値を149.18近辺まで広げた。対ポンドではユーロ買いが先行したが、足元では一服している。ユーロ圏の5月PMI速報値は製造業、非製造業ともに前回から低下しており、景気低迷が懸念された。
ポンドドルは1.23台後半での取引。東京市場で1.2430付近で揉み合ったあと、ロンドン朝方には下抜けの動き。ロンドン市場では安値を1.2373近辺に更新している。ポンド円は東京午前の172.63近辺を高値にその後は売り一色。ロンドン序盤には171.29近辺に安値を更新し、その後も171円台半ばに低迷している。ユーロポンドは買いが先行し、0.8719近辺に高値を伸ばした。その後は、やや巻き戻されて0.87ちょうど付近で推移している。5月の英PMI速報値もユーロ圏と同様に弱含んだ。また、あすに英消費者物価指数発表を控えており、インフレ鈍化見通しが重石となった面もあったようだ。この日の議会証言ではベイリー英中銀総裁などが食品価格インフレを過小評価していたと述べていた。一方、インフレが低下する良い理由がある、と従来からの見解も示した。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。