ドル買い継続、ドル円は138円、ユーロドルは1.08に迫る=ロンドン為替概況
ドル買い継続、ドル円は138円、ユーロドルは1.08に迫る=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル買いが優勢。ドル円は序盤に米債利回り上昇とともに137.94近辺まで高値を伸ばした。年初来高値を更新している。ただ、138円台乗せの勢いには欠けて137.70-80レベルに高止まりしている。ユーロドルは東京午後からの下落の流れを受けてロンドン午前に1.0806近辺まで安値を広げている。ポンドドルも売られ続けており、安値を1.2426近辺に更新した。ドル全般に買われており、ドル指数は3月27日以来の高水準となっている。5月に入ってからはドル買いが優勢だが、米雇用統計、米物価統計、そして今週の米小売売上高と米景気動向の強さが示されたことが市場での追加利上げ観測につながっていることがその背景として指摘される。また、植田日銀体制が緩和継続を表明していることや、米債務上限問題についての楽観的な見方が広がっていることがドル円相場を押し上げている面もある。昨日の米株上昇に続いて、きょうも各国株式市場が堅調に推移している。
ドル円は137円台後半での取引。東京朝方に137.29近辺まで下押しされたあとは、137円台半ばを挟んで売買が交錯。ロンドン序盤には再び上値を試す動きとなり137.94近辺まで買われた。ただ、138円台を付ける余力には欠けており、137円台後半に高止まりしている。欧州株や米株先物は堅調に推移、米債利回りの上昇などがドル円を下支えしている。
ユーロドルは1.08台前半での取引。東京午前に1.0848近辺まで買われたあとは、軟調な流れに転じている。ロンドン午前には1.0806近辺まで安値を広げた。1.08台割れに迫る動きとなっている。ユーロ円は前日の上昇後は上昇一服。ロンドン朝方には148.77近辺まで反落した。ただ、下値も堅く149円を挟む水準で揉み合っている。対ポンドでは買いが優勢。デギンドスECB副総裁は「ECB、サービス価格のインフレを最も懸念している」と述べた。ミュラー・エストニア中銀総裁は「2024年初頭にECBが利下げするとの期待は時期尚早」とした。
ポンドドルは1.24台前半での取引。ユーロドルとともに軟調な流れが続いている。足元では安値を1.2420台へと広げてきている。ポンド円も前日の上昇に調整が入っている。171円台後半で上値を抑えられると、ロンドン市場では安値を171.20付近に広げている。ユーロポンドは0.8680台から0.87ちょうど付近へと上昇。ポンド安の面も指摘される動き。ベイリー英中銀総裁は、「バランスシートが金融危機以前の水準に戻ること想定せず」「QTは積極的な金融政策引き締め手段ではない」などの認識を示した。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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