FX/為替「ドル/円、年初来高値が視野 関心は明日のFOMCへ」 外為どっとコム トゥデイ 2023年5月2日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年5月2日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼1日(月)の為替相場
(1):中国製造業PMIの低下を受けて豪ドル売りが先行
(2):FRC破綻 資産はJPMが買収
(3):ISM製造業が予想を上回り ドル円は137円台へ上伸
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:様子見ムードに傾きがち/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
1日(月)の為替相場
期間:1日(月)午前7時00分~2日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国製造業PMIの低下を受けて豪ドル売りが先行
前日4月30日に発表された中国4月製造業PMIは、49.2と予想(51.4)を下回り活動拡大・縮小の分岐点である50.0を4カ月ぶりに割り込んだ。これを受けて豪ドル売りが先行したが、日銀が前週末28日に大規模金融緩和の継続を決めたことによる円売りも根強く、豪ドル/円はその後上昇に転じた。
(2):FRC破綻 資産はJPMが買収
米カリフォルニア州金融当局は、経営難のファースト・リパブリック・バンクを公的管理下に置き、資産をJPモルガン・チェース銀行に売却すると発表。ここ2カ月で3件目の米銀破綻となったが、大手銀行による救済・買収という想定内の決着だったことから市場に大きな動きはなく、円買いもごく一時的だった。
(3):ISM製造業が予想を上回り ドル円は137円台へ上伸
米4月ISM製造業景況指数は47.1と、6カ月連続で分岐点の50.0を下回ったものの、市場予想(46.8)はやや上回った。内訳指数では新規受注、雇用が揃って上昇。仕入価格も2022年7月以来の水準に上昇した。これを受けて米長期金利が上げ幅を拡大するとドル/円も上昇が加速して約2カ月ぶりに137円台へと上伸した。つれてユーロ/円は150.96円前後まで上値を伸ばし、2008年9月以来の高値を付けたが、ドル高によってユーロ/ドルが反落したため伸び悩んだ。
1日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:様子見ムードに傾きがち
昨日のドル/円は大幅続伸の展開となり、およそ2カ月ぶりに137円台を回復した。前週末の日銀金融政策決定会合で大規模金融緩和の維持が決まり円安が進んだ流れが継続。NY市場では米4月ISM製造業景況指数の発表後に米長期金利が上昇幅を拡大する中でドル高も進んだ。ドル/円は3月8日以来の高値となる137.54円前後まで上伸。
本日は、この日に付けた年初来高値137.91円前後を意識した動きとなりそうだ。仮に上抜ければ、一気に138円台へと上げ足を速める可能性もある。
もっとも、市場の関心は本日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)に向っている。このため市場は、明日3日に発表されるFOMC声明とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見を見極めたいとする様子見ムードに傾きがちだろう。FOMCでは25bp(0.25%ポイント)の追加利上げが濃厚。声明や議長会見で利上げの一時停止が示唆されるか、あるいは6月の追加利上げに含みを残すかに注目が集まっている。そうした中、137円台後半では持ち高調整の売りが出やすいと予想される。
注目の経済指標:豪RBA政策金利
注目のイベント:ロウRBA総裁講演
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※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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