まちまちな経済指標の中、ドルの買い戻しが強まる=NY為替前半
きょうのNY為替市場はドルの買い戻しが強まり、ドル円は133.70円付近まで上げ幅を広げている。本日の上げで21日線がサポートされ、100日線も再び上回って来ている。依然としてリバウンド相場の可能性を残す値動きではある。
この日発表の指標は強弱まちまちで、米小売売上高は予想を下回り、2カ月連続の減少となった一方、ミシガン大消費者信頼感指数では、米消費者のインフレ期待が大幅に上昇していた。複数のFOMC委員の発言も伝わっていたが、追加利上げを支持する発言が相次ぎ、短期金融市場では5月FOMCでの0.25%ポイントの利上げ確率を80%まで高めている。
先週末の米雇用統計から今週の米CPI、米PPIなど一連の指標を通過して、市場は5月FOMCでの利上げ予想を固めたようだ。その一方で、早期利上げ停止および年内利下げ期待も同時に高めている。今週の為替市場は全体的にドル売りの流れが優勢となっていたが、5月FOMC前のイベントを通過して、本日はポジション調整中心の展開となっているのかもしれない。来週は重要な米経済指標の発表は少ない。
ユーロドルは戻り売りが強まっている。東京、ロンドン時間には1.10ドル台後半まで上昇していたが、NY時間に入って1.10ドルを割り込む動き。ユーロドルはこのところ力強い動きを見せていたが、過熱感はまだない。もう一段の上値も期待される状況ではあるが、きょうは商いが薄い中で、まとまったドル買い戻しがユーロドルを押し下げているものと見られる。
一部報道で、債券購入プログラムにより保有している債券の償還金の再投資を完全に停止するよう求める声がECB理事の間で高まっていると伝わっていた。ECBは先月から月150億ユーロのペースで量的引締め(QT)を開始しているが、銀行問題が落ち着き、このところドイツを始め、深刻な景気後退への懸念が和らいでいる。そのような中、ECBのタカ派姿勢は温存されており、再投資を完全に停止することで、QTを加速させたいようだ。
なお、次回5月の理事会では追加利上げが確実視されている状況。利上げの有無ではなく、利上げ幅を0.25%にするか0.50%にするかが議論の中心となっているようだ。
ポンドドルも戻り売りが強まり、1.24ドル台前半まで急落。東京時間には1.25ドル台半ばまで上昇していた。ただ、21日線の上はまだ維持されており、上向き流れを変える動きではない。
市場では英中銀の利上げ期待が高まっているが、英中銀委員の一部からは、利上げに慎重な声も出ている。きょうはテンレイロ委員の発言が伝わり、英経済はこれまでの利上げの影響をまだ十分に感じておらず、追加利上げに反対していると述べた。「現段階では、忍耐強くある必要がある。冷たいシャワーを浴びるような負担は避けたい」と述べている。
同委員はまた、「銀行問題によって金利の決定が影響を受けるべきでない。なぜなら英中銀には問題を解決するための手段がたくさんあるからだ」とも述べた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。