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クレディスイスの信用不安で懸念が再燃 ドル円は一時132円台前半に急落=NY為替概況

今日の為替 

 きょうのNY為替市場はリスク回避の雰囲気が再燃し、ドル円は132円台前半まで一時急落する場面が見られた。ロンドン時間には一旦135円台まで買い戻されていたものの、その後は戻り売りを強めている。

 前日は米当局が預金の全額保護など積極的な対応を打ち出したこともあり、金融システム全体への波及は限定的との楽観論が広まった。しかし、市場の不安が完全に払しょくされたわけではない中、今度は経営難に陥っているクレディスイスへの懸念が重石になった。

 同行の筆頭株主であるサウジ国立銀行のクダイリー会長が「追加の流動性支援の要請があってもこれ以上は支援を行うことは絶対にない」とインタビュイーで述べたことが不安感を引き越している。クレディスイスのCDSは深刻な懸念を示す水準に到達した。

 ただ、終盤には買い戻しも出て、一時133円台後半まで戻す場面も見られた。午後になって「スイス当局がクレディスイス安定化へ選択肢を討議」と伝わったことが買戻しを誘発した模様。

 この日は1月の米小売売上高と米生産者物価指数(PPI)が発表となったが、FRBの利上げペース縮小観測を裏付ける内容となったことも、ドル円の下げを加速させた。市場では、来週のFOMCがどうなるのか不透明になているが、短期金融市場では0.50%ポイントの利上げの可能性は完全に後退させているほか、一時0.25%ポイントが35%、据え置きが65%程度と、確率が前日から逆転する場面が見られた。ただ、現状は半々まで戻している。

 ユーロドルは戻り売りを強め、一時1.05ドル台前半まで急落。きょうの下げで21日線と100日線を一気に下回る展開。市場では明日のECB理事会への見方を変えている。ラガルド総裁は0.50%ポイントの利上げにコミットしているものの、今回のSVBの破綻からの一連の動きを見て短期金融市場では、利上げ幅を0.25%ポイントに緩める可能性を高めている。

 ただ、一部で出ている利上げを一旦停止して様子を見るシナリオに関しては可能性は小さいと見ているようだ。今回の件は明日の理事会の政策決定に影響を与える可能性はあるが、据え置きまではないと考えている模様。ECBは利上げを実施したうえで、政策は常にオープンと強調するのが最善の予想だという。

 ポンドドルは戻り売りを強め、一時1.20ドル台前半まで急落した。きょうの下げで21日線と100日線の水準に再び戻る展開が見られている。

 きょうはハント英財務相が春季予算案を議会に提出し、今年はリセッション(景気後退)を回避できるとの見通しを示した。同相は議会で「英経済は正しい軌道を歩んでおり、年内にテクニカルなリセッションに陥ることはない」と言明。今後の見通しについては「インフレを半減させ、債務を減らし、経済を成長させる」としている。同相によれば、英予算責任局(OBR)は今年末時点のインフレを2.9%と予測し、第4四半期の10.7%から大きく低下するとみている。

 クレディスイスの信用不安もあってポンドの反応は限定的だったが、市場では本日の春季予算案を受けて、英中銀は利上げを行い易くなったのではとの指摘も出ている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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